ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 新たな食料・農業・農村基本計画について〜我が国の食と活力ある農業・農村を次の世代につなぐために〜
ア 食料の安定供給の確保
消費者や実需者ニーズの多様化・高度化への対応を進めつつ、関係者の連携・協働による新たな価値の創出を推進します。また、政府一体となった輸出促進や日本食・食文化の海外普及や食産業等の海外展開等の取組を推進し、農林水産物・食品の輸出額を令和12(2030)年までに5兆円とすることを目指します。
食品の安全確保と食品に対する消費者の信頼確保、食生活・食習慣の変化等を踏まえた食育や消費者と生産者の関係強化を進めます。また、食料供給に係るリスクを見据えた総合的な食料安全保障を確立します。
イ 農業の持続的な発展
経営感覚を持った人材が活躍できるよう、経営規模や家族・法人等経営形態の別にかかわらず、担い手の育成・確保を進めるとともに、担い手への農地の集積・集約化、農業生産基盤の整備の効果的な実施、需要構造等の変化に対応した生産供給体制の構築とそのための生産基盤の強化、スマート農業の普及・定着等による生産・流通現場の技術革新、気候変動への対応などの環境対策等を総合的に推進します。また、中小・家族経営など多様な経営体による地域の下支えを図るとともに、生産現場における人手不足等の問題に対応するため、ドローン等を使った作業代行やシェアリング等新たな農業支援サービスの定着を促進します。
ウ 農村の振興
農村を維持し、次の世代に継承していくため、(1)生産基盤の強化による収益力の向上等を図り農業を活性化することや、農村の多様な地域資源と他分野との組合せによって新たな価値を創出し所得と雇用機会を確保すること、(2)中山間地域をはじめとした農村に人が住み続けるための条件を整備すること、(3)農村への国民の関心を高め、農村を広域的に支える新たな動きや活力を生み出していくこと─といった「三つの柱」に沿って、農林水産省が中心となって関係府省、都道府県・市町村、民間事業者と連携し、農村振興施策を総動員して、現場ニーズの把握や課題解決を地域に寄り添って総合的に推進します。
エ 東日本大震災からの復旧・復興と大規模自然災害への対応
東日本大震災については、地震・津波災害及び原子力災害からの復旧・復興を進めます。
大規模自然災害への備えとして、災害に備える農業経営の取組の全国展開、異常気象などのリスクを軽減する技術の確立・普及、農業・農村の強靱化に向けた防災・減災対策、初動対応をはじめとした災害対応体制の強化、不測時における食料安定供給のための備えの強化に取り組みます。また、被災地の早期の復旧を支援します。
オ 団体
農業協同組合系統組織、農業委員会系統組織、農業共済団体、土地改良区について、その機能や役割を効果的かつ効率的に発揮できるようにします。
カ 食と農に関する国民運動の展開等を通じた国民的合意の形成
食育や地産地消等について、消費者、食品関連事業者、農協等を含め官民が協働し、食と農とのつながりの深化に着目した新たな国民運動を展開します。
こうした取組を通じて、食と環境を支える農業・農村への国民の皆様の理解を醸成し、農は「国の基(もとい)」との認識を国民全体で共有し、食料自給率の向上と食料安全保障の確立を図っていきます。
キ 新型コロナウイルス感染症をはじめとする新たな感染症への対応
内需・外需の喚起、農業労働力の確保、国産原料への切替えなどの中食・外食・加工業者対策等を機動的に講じます。
今後、基本計画に基づく施策を着実に推進していくために、関係者の皆さまのご理解、ご協力をお願いします。なお、基本計画の詳細については、農林水産省のホームページ(https://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/index.html)をご覧ください。
(プロフィール)
平成18年農林水産省入省。動物検疫所、消費・安全局動物衛生課(検疫担当)、生産局畜産部等を経て、平成31年から大臣官房政策課計画グループにて、日米貿易協定等の影響試算、食料・農業・農村基本計画の策定等を担当。