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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2020年7月号 

2年4月の牛肉生産量、前年同月比7.5%減

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1 令和2年4月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万7096トン(前年同月比7.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図1)。品種別では、和牛は1万2425トン(同9.9%減)とかなりの程度、交雑種も6813トン(同11.6%減)とかなり大きく、いずれも前年同月を下回った一方、乳用種は7468トン(同0.2%減)と前年同月並みとなった。
 
 
 なお、過去5カ年の4月の平均生産量との比較でも、5.7%減とやや下回る結果となった。

2 4月の輸入量は、冷蔵品については、日米貿易協定に係るセーフガード発動懸念に加えて、関税率が引き下がることを見越して輸入業者が一部の通関を4月に先送りしたことにより、2万8281トン(同9.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2)。一方、冷凍品については、米国産に冷蔵品と同様の動きがあったものの、為替の影響で3月のTPP発効国産の輸入量が増加した反動により、4月分の通関が少なかったことから、4万737トン(同1.5%減)と前年同月をわずかに下回った(図3)。この結果、全体では6万9035トン(同2.6%増)と前年同月をわずかに上回った。
 



 

 なお、過去5カ年の4月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品は23.0%増と大幅に、冷凍品は15.9%増とかなり大きく、いずれも上回る結果となった。

3 4月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)緊急事態宣言に伴う内食需要の増加により、221グラム(同26.1%増)と前年同月を大幅に上回った(総務省「家計調査」)。
 その一方で、4月の外食産業全体の売上高(同39.6%減)は、緊急事態宣言に伴う店舗の休業や営業時間短縮の影響により、前年同月を大幅に下回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は、一部の店で店内飲食を中止したものの、ドライブスルー完備店を中心に持ち帰り販売の売り上げが大きく伸びたことから、同2.8%増と前年同月をわずかに上回った。一方、牛丼店を含むファーストフード和風は持ち帰り需要の下支えがあったものの同15.8%減とかなり大きく、焼肉は休業する店舗も多かったことから同69.1%減と大幅に、いずれも前年同月を下回った。

4 4月の推定期末在庫量は、外食需要の減退などにより、14万1987トン(同21.2%増)と前年を大幅に上回った(図4)。このうち、輸入品は13万495トン(同21.1%増)と前年同月を大幅に上回った。
 
 
 推定出回り量は、8万730トン(同15.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図5)。このうち、国産品は2万6062トン(同7.8%減)とかなりの程度、輸入品も5万4668トン(同18.0%減)と大幅に、いずれも前年同月を下回った。 
 

 
 
(畜産振興部 郡司 紗千代)