ブロイラー処理羽数、生体重量ともに増加傾向で推移
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2020年1〜4月の米国の鶏肉生産量は、672万4000トン(前年同期比6.1%増)と増加傾向で推移している(表8)。鶏肉生産量は2013年以降、7年連続で増加しており、2020年1〜4月では、過去最高となった前年を上回るペースを維持している。また、処理羽数、生体重量ともに増加傾向で推移しており、2020年1〜4月は、処理羽数が30億9700万羽(同4.1%増)、生体重量が1羽当たり2.88キログラム(同1.9%増)となった。
鶏肉輸出量、増加傾向で推移
USDA/ERSによると、2020年1〜3月の米国の鶏肉輸出量は、84万3000トン(前年同期比7.9%増)と増加傾向で推移している(表9)。
輸出先別に見ると、上位10カ国・地域で約6割を占めており、その中でも約2割を占める輸出先首位のメキシコ向けは前年同期比16.9%増の18万5000トンと引き続き好調に推移している。なお、米国での鳥インフルエンザ発生により、2015年から輸出が停止されていた中国向けは、2019年11月の輸出再開以降、急増しており、2万2000トンとなった。
4月の鶏肉卸売価格、前年同月比45.2%安
USDA/ERSによると、2020年4月の鶏肉卸売価格は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2009年の統計開始以来最安値となる1ポンド当たり0.54米ドル(1キログラム当たり130円:1米ドル=109円)と前年同月比45.2%安まで下落し、15カ月連続で前年同月を下回った(図11)。USDAは、4月時点と比べると鶏肉需給は改善していくものの、当面外食需要の低迷が続くとみており、鶏肉相場は軟調に推移すると見込んでいる。
(調査情報部 河村 侑紀)