米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2020年6月11日、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである。
生産量は、作付面積、収穫面積、単収とも前回予測値から修正がなく、前年度比17.5%増の159億9500万ブッシェル(4億627万トン
(注))と大幅な増加が見込まれている(表15)。2019/20年度は、天候不順や洪水被害の影響で生産量は、前年度比5.0%減となった。一方、2020/21年度は、作付面積および収穫面積が増加するとともに単収が過去最高となるため、生産量は、2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8476万トン)を上回り過去最高となる。
消費量は、前回予測値から修正がなく、同5.4%増の126億5000万ブッシェル(3億2131万トン)と見込まれている。
輸出量は、前回予測値から修正がなく、世界の貿易量の増加を背景に同21.1%増の21億5000万ブッシェル(5461万トン
(注))と大幅な増加が見込まれている。
期末在庫は、期首在庫が前回予測値から500万ブッシェル上方修正された結果、同58.0%増の33億2300万ブッシェル(8440万トン
(注))と大幅に増加すると見込まれている。この結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、22.5%と前回予測値を1ポイント上回った。
また、生産者平均販売価格は、前回予測値から修正がなく、1ブッシェル当たり3.20米ドル(1キログラム当たり13.7円:1米ドル=109円)と見込まれている。
なお、米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が公表した穀物の生育状況に関するレポートによると、2000年6月7日時点の主要18州のトウモロコシの作付率は97%であった。また、6月14日時点の発芽率は95%で、2019年同期(74%)、直近5カ年平均値(92%)をいずれも上回っている。また、同日時点の生育状況について、「良い」または「とても良い」とするのは全体の71%で、天候不順や洪水被害により状況が悪化した前年同期(59%)を上回っている。
(注) 1ブッシェルを25.4キログラムとしてALICが換算。
(調査情報部 井田 俊二)