1 令和2年6月の豚肉生産量(部分肉ベース)は、7万2535トン(前年同月比8.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図10)。
なお、過去5カ年の6月の平均生産量との比較でも、3.6%増とやや上回る結果となった。
2 6月の輸入量は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う北米の現地工場の操業停止などにより生産量が減少し、現地価格が高騰していたものの、家計消費を中心とした好調な需要を背景に、冷蔵品は3万1995トン(同0.0%)と前年同月並みとなった(図11)。一方、冷凍品は、前年度において関税緊急措置の発動回避のために6月の通関を7月に繰り越す動きがあったが、今年度は同措置が措置されいないことなどから、4万7506トン(同7.3%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図12)。この結果、全体では7万9522トン(同4.3%増)と前年同月をやや上回った。
なお、過去5カ年の6月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は4.7%増とやや、冷凍品は7.8%増とかなりの程度、いずれも上回る結果となった。
3 6月の豚肉の家計消費量(全国1人当たり)は、COVID-19の影響による内食需要の増加から、638グラム(同7.1%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
4 6月の推定期末在庫量は、23万5073トン(同13.4%増)と前年同月をかなり大きく上回った(図13)。このうち輸入品は、2019年の中国におけるASF(アフリカ豚熱)発生による供給国の豚肉相場の先高感から輸入量が増加傾向で推移していたものの、外食向けを中心に荷動きが悪く、21万1865トン(同15.2%増)と前年同月をかなり大きく上回った。
推定出回り量は15万2572トン(同7.0%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図14)。このうち、国産品は7万31トン(同7.3%増)、輸入品は8万2541トン(同6.8%増)と、ともに前年同月をかなりの程度上回った。
(畜産振興部 岩井 椿)