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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2020年10月号

2年7月の牛肉生産量、前年同月比0.5%増

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1 令和2年7月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、3万660トン(前年同月比0.5%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万5431トン(同5.2%増)と前年同月をやや上回った。一方で、交雑種は7505トン(同2.4%減)とわずかに、乳用種は7256トン(同6.8%減)とかなりの程度、いずれも前年同月を下回った。
 なお、過去5カ年の7月の平均生産量との比較では、3.9%増とやや上回る結果となった。
 
 
2 7月の輸入量は、冷蔵品は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う北米の現地工場の操業停止などにより生産量が減少し、現地価格が高騰していたことなどから、2万3257トン(同15.2%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図2)。冷凍品は、前年度において関税緊急措置の発動回避のために6月の通関を7月に繰り越す動きがあったが、今年度は同措置が措置されていないことに加え、豪州の生産量減少により現地価格が高騰していたことなどから、2万9347トン(同16.3%減)と前年同月を大幅に下回った(図3)。この結果、全体では5万2640トン(同15.8%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
 なお、過去5カ年の7月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は1.7%増とわずかに上回る一方、冷凍品は15.7%減とかなり大きく下回る結果となった。
 


 
3 7月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、COVID-19の影響による内食需要の増加から、193グラム(同9.4%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
 その一方で、7月の外食産業全体の売上高(同15.0%減)は、店内飲食に回復が見られたものの、多くの業態で依然として厳しい状況が続いていることから、前年同月をかなり大きく下回った(日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は同5.1%増と前年同月をやや上回った一方、牛丼店を含むファーストフード和風は同3.9%減、焼き肉は同4.7%減と、ともに前年同月をやや下回った。

4 7月の推定期末在庫量は、14万4076トン(同9.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。このうち、輸入品は13万3770トン(同8.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 


 
 推定出回り量は、8万6251トン(同1.5%増)と前年同月をわずかに上回った(図5)。このうち、国産品は3万503トン(同1.6%減)と前年同月をわずかに下回った一方、輸入品は5万5748トン(同3.3%増)と前年同月をやや上回った。

(畜産振興部 郡司 紗千代)