ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > レアル安の進行などにより、輸出は堅調に推移
輸出量はわずかに増加
ブラジル経済省貿易局(SECEX)によると、2020年1〜7月の鶏肉輸出量は、前年同期比0.1%増の228万8792トンとなった(表8)。米ドル高レアル安は続いており、ブラジル産鶏肉の価格競争力は依然として高い状況にある(図24)。輸出先別に見ると、中国向けは、同国でのASF(アフリカ豚熱)の発生に伴う代替需要を背景に、引き続きブラジル産鶏肉への引き合いが堅調なことから、40万6644トン(同28.2%増)と大幅な増加となった。一方、日本向けは外食消費が落ち込んでいることや、国内生産が増加していることもあり、同2.3%減となった。ブロイラーの生産コストは高止まり
ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)養鶏・養豚センター(CIAS)によると、鶏肉の最大生産州であるパラナ州におけるブロイラー生産コスト指数(2010年1月=100)は、2019年10月以降、230ポイント前後で高止まっていたものの、12月ごろから上昇し始め、2020年4月には260ポイントを超え、7月には265.91ポイントとなった(図25)。ブロイラー用飼料の主原料となるトウモロコシ価格が、4月に比べ若干下がったものの、依然として高い水準にあり、生産コストを押し上げているものとみられる(図26)。鶏肉卸売価格は回復傾向
サンパウロ大学農学部応用経済研究所(CEPEA)によると、鶏肉卸売価格は、ブラジルで新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)が拡大し始めた3月から5月にかけて下落したものの、6月以降は上昇傾向で推移した(図27)。海外需要が堅調に推移する中、国内においても牛肉価格の高止まりによって豚肉や鶏肉への代替需要が発生し、引き合いが強まっているとみられる。