米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は2020年8月12日、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである。
生産量は、単収が1エーカー当たり181.8ブッシェル(4.6トン
(注))と前回より1エーカー当たり3.3ブッシェル(0.1トン)上方修正されため、2億7800万ブッシェル(706万トン)上方修正され、前年度比12.2%増の152億7800万ブッシェル(3億8808万トン)とかなり大きな増加が見込まれている(表19)。これは、これまでの統計で最も大きかった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)をわずかに上回る。
消費量は、生産量が上方修正されたことや価格低下が見込まれることから飼料など向けを中心に7500万ブッシェル(191万トン)上方修正され、同5.8%増の125億5000万ブッシェル(3億1878万トン)と見込まれている。
輸出量は、米国産トウモロコシの競争力が高まったことや国際市場価格が比較的低いことから前回より7500万ブッシェル(191万トン)上方修正され、同24.0%増の22億2500万ブッシェル(5652万トン)と大幅な増加が見込まれている。
期末在庫は、生産量が上方修正されるなど総供給量が総消費量を上回ることから前回より1億800万ブッシェル(274万トン)上方修正され、同23.7%増の27億5600万ブッシェル(7001万トン)と大幅な増加が見込まれている。この結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、18.7%と前年度を2.4ポイント上回ると見込まれている。
また、生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり3.10米ドル(1キログラム当たり12.9円:1米ドル=106円)と前回より0.25米ドル(同1.0円)低下すると見込まれている。
なお、8月上旬に、主産地であるアイオワ州、ウィスコンシン州、イリノイ州およびネブラスカ州が暴風により被災したとの報道がなされているが、今回の予測値には反映されていないとのことである。
(注) 1ブッシェルを25.401キログラムとしてALICが換算。
(調査情報部 井田 俊二)