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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2020年11月号

2年8月の牛肉生産量、前年同月比4.4%増

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1 令和2年8月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万5688トン(前年同月比4.4%増)と前年同月をやや上回った(図1)。品種別では、和牛は1万1743トン(同10.2%増)とかなりの程度、交雑種は6413トン(同1.5%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った。一方で、乳用種は7102トン(同2.6%減)と、前年同月をわずかに下回った。
 なお、過去5カ年の8月の平均生産量との比較でも、1.0%増とわずかに上回る結果となった。
 

 
2 8月の輸入量は、冷蔵品は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止対策の影響で北米工場の従業員の作業効率が低下していたことに加え、豪州産は干ばつ後の牛群再構築による生産量減少に伴い現地価格が高騰していたことなどから、1万9341トン(同25.9%減)と前年同月を大幅に下回った(図2)。一方で、冷凍品のうち豪州産は冷蔵品と同様の影響があったものの、冷蔵品の輸入量の減少分を米国産の冷凍品で補う動きがあったことから、2万7841トン(同1.7%増)と前年同月をわずかに上回った(図3)。この結果、全体では4万7207トン(同11.9%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
 なお、過去5カ年の8月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品は15.3%減とかなり大きく下回る一方で、冷凍品は17.8%増と大幅に上回る結果となった。

 
  
3 8月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、COVID-19の影響による内食需要の増加から、208グラム(同10.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
 外食産業全体の売上高は、COVID-19の影響により3月以降、前年同月を下回って推移する中、緊急事態宣言の解除や県外移動自粛の解除に伴い店内飲食の客足が戻り始め、郊外の店舗を中心に回復傾向にあった。しかしながら、8月は前月からの感染の再拡大、小中学校の夏休み期間の短縮、お盆の帰省の自粛などにより回復の動きが鈍り、売上高(同16.0%減)は前年同月を大幅に下回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は同8.2%増と前年同月をかなりの程度上回った一方、牛丼店を含むファーストフード和風は同8.0%減とかなりの程度、焼き肉は同14.4%減とかなり大きく、いずれも前年同月を下回った。

4 8月の推定期末在庫は、14万2505トン(同9.0%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。このうち、輸入品は13万2291トン(同8.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 

 
 推定出回り量は、7万4014トン(同6.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は2万5328トン(同5.8%増)と前年同月をやや上回った一方、輸入品は4万8686トン(同11.4%減)と前年同月をかなり大きく下回った。

 
(畜産振興部 郡司 紗千代)