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海外の需給動向【豚肉/カナダ】 畜産の情報  2020年11月号

1〜7月のカナダの豚肉輸出量、中国・香港向け割合が47%と急増

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豚肉輸出量、中国・香港向け、ベトナム向けが引き続き大幅増
 カナダ統計局(Statistics Canada)によると、2020年1〜7月の合計輸出量は69万2500トン(前年同期比23.0%増)と大幅に増加した(表5)。輸出先別に見ると、最大の輸出先である中国・香港向けは、2019年11月の輸出再開(注)以降、中国でのASF(アフリカ豚熱)の流行による生産量減少を背景に急増し、32万6500トン(同86.8%増)となった(図6)。次いで多い日本向けは、同国でのカナダ産の底堅い需要などを背景に、引き続き増加傾向で推移しており、12万9800トン(同4.7%増)とやや増加した。ベトナム向けは、同国でのASFの流行による生産量減少で増加しており、1万3700トンと前年同期の約60倍となった。なお、その他の主要輸出先の多くは、中国・香港向けなどの急増により、前年同期を大きく下回っている。



 
 また、本年9月にドイツ国内の野生イノシシでASFが発生しているが、中国などドイツ産豚肉輸入国からの代替需要によるさらなる輸出拡大は、現状では十分な輸出余力がないことから、限定的なものになるとカナダ豚肉協議会(CPC)はみている。
(注) 中国政府は、衛生証明書の記載と異なり成長促進剤であるラクトパミンが残留したカナダ産豚肉が見つかったことを発表し、カナダ政府が2019年6月25日に中国向けの牛肉・豚肉輸出を停止した。カナダ産豚肉の中国向け輸出停止と再開の経緯については、『畜産の情報』2019年9月号「中国向け輸出が停止された中、政府は業界への支援を公表」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_000752.html)、同2020年2月号「1〜10月の豚肉輸出量、中国向けが大幅に変動」(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_000954.html)を参照されたい。

一戸当たり飼養頭数、6年連続増加
 カナダ統計局(Statistics Canada)が2020年8月20日に公表した「Hog Statistics」によると、2020年7月1日現在の豚飼養頭数は、前年並みの1400万頭(前年比0.2%増)と3年連続で横ばいとなった(図7)。
 

 
 種類別に見ると、繁殖豚は同1.4%増の124万1500頭と前年をわずかに上回った。肥育豚は同0.1%増の1275万8500頭と前年並みとなった。
 一戸当たり飼養頭数は、企業養豚が集中するマニトバ州を含む西部(マニトバ州、アルバータ州など)が東部(ケベック州、オンタリオ州など)に比べて多い傾向がある。養豚の農家戸数が減少傾向で推移する中、同年7月1日時点において、カナダ全体では一戸当たり1805頭(同0.4%増)と6年連続で増加し、地域別では、東部が同1734頭(同0.1%増)、西部が同1911頭(同0.9%増)といずれも増加した(図8)。

 

(調査情報部 河村 侑紀)