ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は9月10日、2019/20年度(10月〜翌9月)第12回(最終回)となる主要穀物の生産状況等調査結果の要約版を、同17日に州ごとの詳細な分析を加えた完全版を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2・3作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものであり、今回が当該年度における最終報告となる。なお、今回の調査結果においても、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)に伴う影響についての特段の記述はなかった。
トウモロコシは前回公表から上方修正、過去最高を更新する見通し
トウモロコシの生産量は、前回公表よりも上方修正された(図26)。これは、一部地域を除き、全体では天候に恵まれていることから、第2、3作の作付面積、単収がいずれも上方修正されたことによるものである。州別に見ると、第2作の最大生産地であるマットグロッソ州は、8月に収穫作業を終了しており、生産者の投資拡大などを背景とした作付面積の増加などにより、生産量は過去最高を記録した。一方、第2作の生産量が次いで多いパラナ州では、収穫時の大雨による収穫作業の遅れなどから、生産量が大幅に減少しており、前回公表からさらに引き下げられた。調査時点では、同州の作付面積の3割以上の収穫が終わっておらず、今後は収穫のペースが上がっていくものとみられる。なお、第3作については、主要生産州(セルジッペ州、バイーア州など)が好天候であることから、作付面積、単収ともに上方修正されている。
生産量見込みは1億トンを超えており、過去最高を更新する見通しとなっている(表15、図27)。
大豆は前回公表から上方修正、過去最高を更新する見通し
大豆の生産量は、主産地である中西部や南部の単収が上方修正されたことから、前回公表より上方修正された。生産量見込みは1億2000万トンを超えており、トウモロコシと同様、過去最高を更新する見通しとなっている。なお、ほとんどの地域で収穫は完了している。
(調査情報部 河村 侑紀)