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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2020年12月号

2年9月の牛肉生産量、前年同月比3.7%増

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1 令和2年9月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万7110トン(前年同月比3.7%増)と前年同月をやや上回った(図1)。品種別では、和牛は1万2690トン(同8.8%増)とかなりの程度、乳用種は7431トン(同1.1%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った。一方で、交雑種は6532トン(同3.0%減)と前年同月をやや下回った。
 なお、過去5カ年の9月の平均生産量との比較でも、3.5%増とやや上回る結果となった。
 
 
2 9月の輸入量は、冷蔵品は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止対策の影響で北米工場の従業員の作業効率が低下していたことに加え、豪州産は干ばつ後の牛群再構築による生産量減少に伴い現地価格が高騰していたことなどから、1万8290トン(同14.8%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図2)。冷凍品は、現地価格が高騰する豪州産を米国産で補う動きがあったものの、冷凍品トータルでは、2万5950トン(同10.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図3)。この結果、全体では4万4258トン(同12.4%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
  なお、過去5カ年の9月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品、冷凍品ともにかなり大きく下回る結果(冷蔵品11.7%減、冷凍品12.4%減)となった。
 
 
 
3 9月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、COVID-19の影響による内食需要の増加から、179グラム(同9.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
 一方、外食産業全体の売上高(同14.0%減)は、COVID-19の新規感染者が8月上旬をピークに減少傾向となったことを背景に、一部の業態においてシルバーウィーク(9月19〜22日)に回復が見られたものの、前年同月をかなり大きく下回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風はドライブスルーのテイクアウトやデリバリーの浸透などもあり同3.3%増と前年同月をやや上回った一方、牛丼店を含むファーストフード和風は高単価品やセットメニューなどを投入するも繁華街・ビジネス街での客足が戻らず同7.2%減、焼き肉は前月より上向いてはいるものの同8.3%減と、ともに前年同月をかなりの程度下回った。

4 9月の推定期末在庫は、13万6001トン(同3.9%増)と前年同月をやや上回った(図4)。このうち、輸入品は12万5263トン(同2.7%増)と前年同月をわずかに上回った。
 推定出回り量は、7万7368トン(同1.6%増)と前年同月をわずかに上回った(図5)。このうち、国産品は2万6082トン(同1.2%増)、輸入品は5万1286トン(同1.8%増)と、ともに前年同月をわずかに上回った。
 

 

 
 
(畜産振興部 友石 公彦)