生産量、前年同期比1.5%増
令和2年度上半期(4〜9月)の豚肉生産量は、4月以降のと畜頭数が好調に推移し、生産量は43万8115トン(前年同期比1.5%増)と前年同期をわずかに上回った(図18)。
輸入量、冷蔵品・冷凍品ともに減少
上半期の豚肉輸入量は46万9812トン(前年同期比7.4%減)と前年同期をかなりの程度下回った(図19)。
このうち、主にテーブルミートとして仕向けられる冷蔵品は、COVID-19の影響による輸入先の食肉処理施設の稼働停止や感染防止対策による従業員の作業効率の低下により、細かいカットを要する冷蔵品の供給量が減少し、現地価格が高騰したことなどにより20万1577トン(同1.3%減)とわずかに減少した。輸入先別に見ると、米国産とカナダ産で9割以上を占めており、米国産は9万5714トン(同4.8%減)とやや、カナダ産は9万6786トン(同1.5%減)とわずかに、いずれも前年同期を下回った。一方、両国の供給量の減少を背景に、メキシコからの輸入量が増加し、9070トン(同67.6%増)と前年同期を大幅に上回った。
また、主に加工・業務用に仕向けられる冷凍品は、国内の在庫が高い水準にあったこと、また、中国におけるアフリカ豚熱発生による国際相場の先高感から前年同期の輸入量が多かったことなどから、26万8213トン(同11.5%減)と前年同期をかなり大きく下回って推移した。輸入先別に見ると、スペイン産は6万468トン(同11.9%減)、メキシコ産は4万7234トン(同4.6%減)、デンマーク産は3万9516トン(同39.0%減)となった。
出回り量、国産品が増加、輸入品が減少
上半期の豚肉出回り量は、COVID-19の影響により「巣ごもり需要」が旺盛となったことから、豚肉消費の約5割を占める家計消費が好調に推移し、90万4374トン(前年同期比2.0%増)と前年同期をわずかに上回った(図20)。このうち、約半数を占める国産品は44万2873トン(同2.5%増)、輸入品は46万1501トン(同1.5%増)とともに前年同期をわずかに上回った。
なお、上半期末(9月末)の豚肉在庫は21万3071トン(同2.4%減)と前年同期をわずかに下回った。このうち、約9割を占める輸入品在庫は、19万3386トン(同2.3%減)と前年同期をわずかに下回った。また、国産品在庫は量販店などからの引き合いが強かったことから、1万9685トン(同3.3%減)と前年同期をやや下回った。