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海外の需給動向【飼料穀物/トウモロコシ】 畜産の情報  2020年12月号

2020/21年度の世界のトウモロコシ期末在庫量、前月予測からわずかに下方修正し、前年度比1.2%減

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 2020年10月9日、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2020/21年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表18)。
 

 
 これによると、2020/21年度の世界のトウモロコシ生産量は11億5882万トン(前年度比3.8%増、前月比0.3%減)へわずかに下方修正された。国別に見ると、米国が収穫面積および単収の下方修正により452万トン、ウクライナが乾燥・高温気候により単収の減少が見込まれるため200万トン、それぞれ前月から下方修正された。下方修正されたとは言え、米国(3億7395万トン、前年度比8.1%増)、ブラジル(1億1000万トン、同7.8%増)およびウクライナ(3650万トン、同1.7%増)で前年度の生産量を上回ることから、記録的に大きな生産量となる見通しである。
 輸出量は、世界全体で1億8447万トン(前年度比8.2%増、前月比0.8%減)へわずかに下方修正された。国・地域別に見ると、ウクライナおよびEUが生産量の見直しで下方修正された。輸入量は、世界全体で1億7781万トン(同6.4%増、同0.9%減)へわずかに下方修正された。地域別に見ると、EUで100万トン下方修正された。その要因として、EU域内においてトウモロコシの収穫への期待感が残されていることや、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により宿泊施設や飲食店などの需要が減退していることが挙げられている。
 消費量は、世界全体で11億6260万トン(同2.7%増、同0.2%減)へわずかに下方修正されたものの、生産量を378万トン上回ることとなった。国別に見ると、米国がCOVID-19による移動規制などでガソリン需要が低下したことにより、エタノール向けが減少し、254万トン下方修正された。
 期末在庫は、世界全体で634万トン下方修正された結果、3億45万トン(同1.2%減、同2.1%減)と見込まれている。国別に見ると、生産量および消費量が引き下げられる米国で853万トン、前年度の期末在庫が引き下げられる中国で15万トン下方修正された。

(調査情報部 荒川 侑子)