2020年10月9日、USDA/WAOBは、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである(表19)。
生産量は、収穫面積および単収がわずかに下方修正されたことから、147億2200万ブッシェル(3億7395万トン
(注)、前年度比8.1%増、前月比1.2%減)へわずかに下方修正された。しかし、前年度からはかなりの程度増加する見込みであり、これまでの統計で最も生産量の多かった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)をわずかに下回る水準となっている。
国内消費量は、エタノール向けがガソリン需要の伸び悩みにより、飼料など向けが生産者平均販売価格の上昇により、それぞれ5000万ブッシェル下方修正されたため、122億5000万ブッシェル(3億1116万トン、同1.2%増、同0.8%減)へわずかに下方修正された。
輸出量は、前月の予測から変わらず、23億2500万ブッシェル(5906万トン、同30.8%増、前月同)と前年度から大幅に増加すると見込まれている。
期末在庫は、9月1日現在の在庫調査に基づく、前年度の総消費量(主に飼料など向け)の上方修正により期首在庫が下方修正されたことや、生産量の下方修正により、21億6700万ブッシェル(5504万トン、同8.6%増、前月比13.4%減)とかなり大きく下方修正された。その結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は14.9%(同0.5ポイント増、同2.2ポイント減)へ下方修正された。
また、生産者平均販売価格は、生産量が下方修正されたことを受けて、前月より0.1米ドル高い1ブッシェル当たり3.60米ドル(382円。1キログラム当たり15.0円:1米ドル=106円)と予測された。
(注) 1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(調査情報部 荒川 侑子)