2020/21年度の世界のトウモロコシ期末在庫量、前月予測からやや下方修正し、前年度比3.9%減
2020年11月10日、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2020/21年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表14)。
これによると、2020/21年度の世界のトウモロコシ生産量は11億4463万トン(前年度比2.5%増、前月比1.2%減)へわずかに下方修正された。国別に見ると、長引く乾燥・高温気候により、2012/13年度以来の不作が見込まれるウクライナで800万トン、単収の下方修正により米国で546万トン、それぞれ前月から下方修正された。しかし、作付けが開始された南アフリカでかなり大きく上方修正されたことや、米国(3億6849万トン、前年度比6.5%増)およびブラジル(1億1000万トン、同7.8%増)で前年度の生産量を上回ることから、依然として記録的に大きな生産量となる見通しである。
輸出量は、世界全体で1億8477万トン(前年度比8.0%増、前月比0.2%増)へわずかに上方修正された。国別に見ると、大幅な減産が予測されたウクライナで800万トン下方修正されたが、米国でそれを上回る825万トン上方修正された。輸入量は、世界全体で1億7823万トン(同7.5%増、同0.2%増)へわずかに上方修正された。国・地域別に見ると、EUで400万トン下方修正されたが、アフリカ豚熱からの回復が進み、飼料向け需要が増加し、トウモロコシの国内価格が上昇している中国で600万トン上方修正された。
消費量は、世界全体で11億5654万トン(同2.1%増、同0.5%減)へわずかに下方修正されたものの、生産量を1191万トン上回ることとなった。国別に見ると、生産量が引き下げられる米国で190万トン下方修正されたものの、中国で300万トン上方修正された。
期末在庫は、世界全体で902万トン下方修正された結果、2億9143万トン(同3.9%減、同3.0%減)と見込まれている。国別に見ると、輸入量の増加が見込まれる中国で261万トン上方修正されたが、減産と輸出量の増加が見込まれる米国で1181万トン下方修正された。