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海外の需給動向【飼料穀物/トウモロコシ】 畜産の情報  2021年1月号

2020/21年度の米国トウモロコシ期末在庫量、減産や輸出量の上方修正を受けて、前年度比14.7%減

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 2020年11月10日、USDA/WAOBは、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである(表15)。
 
 
 国内生産量は、単収がわずかに下方修正されたことから、145億700万ブッシェル(3億6849万トン(注)、前年度比6.5%増、前月比1.5%減)へわずかに下方修正された。しかし、前年度からはかなりの程度増加する見込みであり、これまでの統計で最も生産量の多かった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)をやや下回る過去2番目の水準となっている。
 国内消費量は、生産量の下方修正や生産者平均販売価格の上昇により、飼料など向けが7500万ブッシェル下方修正されたため、121億7500万ブッシェル(3億926万トン、同0.5%増、同0.6%減)へわずかに下方修正された。
 輸出量は、ウクライナなどの競合国で生産量が下方修正されたことや中国向けの輸出量が増える見込みであることを受けて、26億5000万ブッシェル(6731万トン、同49.0%増、同14.0%増)へかなり大きく上方修正され、記録的に大きな輸出量となる見通しである。
 期末在庫は、生産量の下方修正や輸出量の上方修正により、17億200万ブッシェル(4323万トン、同14.7%減、同21.5%減)へ大幅に下方修正され、2013/14年度以来の低水準となる見通しである。その結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は11.5%(同2.9ポイント減、同3.4ポイント減)へ下方修正された。
 また、生産者平均販売価格は、期末在庫のさらなる下方修正が主な要因となって、前月より0.4米ドル高い1ブッシェル当たり4.00米ドル(420円。1キログラム当たり16.5円:1米ドル=105円)と予測された。

(注) 1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
 
(調査情報部 荒川 侑子)