1 令和2年11月の豚肉生産量(部分肉ベース)は、7万9406トン(前年同月比2.4%増)と前年同月をわずかに上回った(図6)。
なお、過去5カ年の11月の平均生産量との比較では、0.2%減と同水準となった。
2 11月の輸入量は、冷蔵品は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により北米のと畜加工場における生産減や北米からの入船遅れが発生していたものの、前年の輸入量が少なかったことから、3万8515トン(同5.7%増)と前年同月をやや上回った(図7)。冷凍品は、国内の在庫が高い水準にあることに加え、前年の輸入量が中国におけるアフリカ豚熱の影響による先高を見越して多かったことなどから、3万1964トン(同30.9%減)と前年同月を大幅に下回った(図8)。この結果、全体では7万497トン(同14.8%減)と前年同月をかなり大きく下回った。なお、過去5カ年の11月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は9.7%増とかなりの程度上回り、冷凍品は26.6%減と大幅に下回る結果となった。
3 11月の豚肉の家計消費量(全国1人当たり)は、COVID-19の影響による内食需要の増加から、653グラム(同8.4%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
4 11月の推定期末在庫は、19万4989トン(同8.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った。このうち輸入品は、17万5578トン(同8.2%減)と前年同月をかなりの程度下回ったが、これは、中国でのアフリカ豚熱の影響で先高になることを見越して輸入業者が買い急いだため、前年同月が多かったことによるものである(図9)。
推定出回り量は15万8952トン(同4.4%減)と前年同月をやや下回った(図10)。このうち、国産品は7万9178トン(同4.4%増)と前年同月をやや上回った一方、輸入品は7万9774トン(同11.7%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
(畜産振興部 福寿 悠星)