11月の生乳生産量、前年同月並みで推移
デーリー・オーストラリア(DA)によると、2020年11月の生乳生産量は90万1895キロリットル(92万8843トン相当)と前年同月並みとなった(図13)。これを州別に見ると、酪農主産地であるビクトリア州の11月の生乳生産量は前年同月比0.6%減の58万2094キロリットル(59万5482トン相当)とわずかに減少した一方、タスマニア州では同0.4%増の11万9632キロリットル(12万3220トン相当)とわずかに増加した。
また、2020/21年度(7月〜翌6月)の11月までの累計については、前年同期比1.3%増の407万1601キロリットル(419万3749トン相当)と、わずかに上回った(表8)。これを州別に見ると、クイーンズランド州および西オーストラリア州以外のすべての州で、前年度を上回っている。DAによると、このように今年度の乳量は前年度の水準を上回って推移しているものの、全国的な飼養頭数の減少などにより、乳量の伸びに鈍化が見られるという。
バターおよびバターオイルの輸出量、4カ月連続で大幅に増加
DAが発表した2020年10月の主要乳製品4品目の輸出量は、バターおよびバターオイルが前年同月を大幅に上回った一方、脱脂粉乳、全粉乳、チーズの3品目は前年同月を下回った(表9、図14)。
品目別に見ると、脱脂粉乳は、前年同月比18.0%減の9138トンと大幅に下回ったが、2020/21年度(7月〜翌6月)の10月までの累計では、前年同期比20.8%増の3万2756トンと大幅に増加した。また、全粉乳は前年同月比21.1%減の4084トンと大幅に減少し、年度累計で見ても、前年同期比12.3%減の1万3567トンとかなり大きく減少した。
チーズは前年同月比1.2%減の1万4457トンとわずかに減少し、年度累計においては前年同期比5.4%減の4万7827トンとやや減少した。
一方、バターおよびバターオイルは、前年同月比182.0%増の1750トンと大幅に増加、年度累計においても前年同期比88.4%増の7455トンと前年同期を大幅に上回った。豪州農業・水・環境省(DAWE)によると、中国、タイ、シンガポールなどからの需要が強まる中、特に中国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による健康意識の高まりを背景に、輸入品に対する品質の評価が高まり、需要が伸びたとしている。
(調査情報部 廣田 李花子)