11月の生乳生産量、7カ月ぶりに前年同月を下回る
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2020年11月の生乳生産量は、292万8000トン(前年同月比2.5%減)と7カ月ぶりに前年同月を下回った(図15)。現地報道によると、11月は北島中部やウェリントンなど一部の地域では平年よりも降雨に恵まれた一方、西海岸の一部の地域などにおいては平年よりも大幅に降雨量が落ち込み、土壌が乾燥していたとされる。
11月乳製品の輸出量、全粉乳が前年同月比で大幅に増加
ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2020年11月の乳製品主要4品目(脱脂粉乳、全粉乳、バターおよびバターオイル、チーズ)の輸出量は、バターおよびバターオイルを除く3品目が前年同月を上回った(表10、図16)。
品目別に見ると、脱脂粉乳は4万5214トン(前年同月比12.0%増)とかなり大きく増加した。このうち、中国向けは2万3703トン(同3.6%増)とやや増加したほか、マレーシアも同9.1%増とかなりの程度増加した。
全粉乳は、21万8780トン(同17.5%増)と前年同月を大幅に上回った。このうち、中国、日本など向けが前年同月を上回り、中国向けは前年同月比25.0%増、日本向けは同21.0%増とそれぞれ大幅な増加となった。
バターおよびバターオイルについては、4万2923トン(同6.8%減)と2カ月連続で前年同月を下回った。中国向けは、同7.5%増と前年同月をかなりの程度上回った一方、米国向けが同33.8%減と前年同月を大幅に下回ったことなどから、全体では減少となった。
また、チーズは、3万4397トン(同15.8%増)と3カ月ぶりに前年同月を上回った。日本や豪州向けが前年同月を下回った一方、中国向けは、同15.2%増とかなり大きく上回り、全体ではかなり大きく増加した。
乳製品国際価格、チーズを除く主要3品目が前回から上昇
2020年12月15日に開催された、乳製品の国際価格の指標の一つであるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表11、図17)。前回開催(12月1日)時と比較すると、主要4品目すべてで前回の価格を上回った。
脱脂粉乳については、前回比1.4%高の1トン当たり2930米ドル(30万8000円)となった。主な動きとしては、北アジアからの取引が前回よりも減少した一方、アフリカ、中東、東南アジアなどとの取引が前回から伸びた。
全粉乳は、同0.9%高の同3210米ドル(33万7000円)となった。北アジアとの取引が前回よりも減少したが、アフリカ、EU、中東、東南アジアなどの需要が前回よりも高まった。
バターは、同5.9%高の同4221米ドル(44万3000円)で、北アジアのほか、北米と東南アジアとの取引が増加した。
また、チーズは、同4.3%高の3893米ドル(40万9000円)と、東南アジアとオセアニアからの取引が増加した。
(調査情報部 廣田 李花子)