2020年12月10日、USDA/WAOBは、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、前回と変化なく、次の通りである(表15)。
国内生産量は前回と変わらず、145億700万ブッシェル(3億6849万トン
(注)、前年度比6.5%増、前月同)と予測されており、これまでの統計で最も生産量の多かった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)をやや下回るものの、過去2番目の高水準となっている。
国内消費量は、飼料など向けが前年度比2.2%減となる一方、食品・種子・その他工業向け(エタノール向けを含む)が同3.1%増となり、全体では121億7500万ブッシェル(3億926万トン、同0.5%増、前月同)と予測されている。
輸出量は、中国向けの輸出量が増える見込みであることなどから、26億5000万ブッシェル(6731万トン、同49.0%増、前月同)と予測されており、記録的な輸出量となる見通しである。
期末在庫は、輸出量が前年を大幅に上回ることから、17億200万ブッシェル(4323万トン、同14.7%減、前月同)と予測されており、2013/14年度以来の低水準となる見通しである。その結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は11.5%(同2.9ポイント減、前月同)となっている。
また、生産者平均販売価格は前月と変わらず、1ブッシェル当たり4.00米ドル(420円。1キログラム当たり16.5円:1米ドル=105円)と予測されている。
(注) 1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(調査情報部 荒川 侑子)