ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 令和3年度 畜産・酪農関係事業の概要について
令和3年度予算の政府案が令和2年12月21日に閣議決定され、令和3年度(一部令和2年度補正予算を含む)の畜産・酪農関係事業が公表されたところです。
機構といたしましては、畜産業振興事業の実施に当たり、事業実施主体の選定に係る透明性を確保するため、引き続き事業実施主体の公募を実施するなど、事業の的確な実施に取り組んでまいります。
本稿では、機構が行う事業の概要を紹介します。各事業の詳細については、農林水産省生産局畜産部のホームページに掲載されている事業概要等をご覧ください。(https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/)
T 令和3年度予算に係る対策
1 経営安定対策
(1)法律に基づく制度
(1) 加工原料乳生産者補給金 [所要額]37,481百万円
(2) 肉用子牛生産者補給金 [所要額]66,227百万円
(3) 肉用牛肥育経営安定交付金 [所要額]97,726百万円
(4) 肉豚経営安定交付金 [所要額]16,804百万円
(2)畜産業振興事業
(1) 加工原料乳生産者経営安定対策事業
加工原料乳(脱脂粉乳・バター等向け、チーズ向け及び生クリーム等向けの生乳)の取引価格が補塡基準価格を下回った場合に、生産者に補塡金を交付します。
2 関連対策
(1)酪農経営支援総合対策事業(拡充) [所要額]4,566百万円
酪農生産基盤の維持・強化を図るため、以下の取組を支援します。
(1) 中小酪農経営等の生産基盤維持・強化
(2) 地域の生産体制の強化
(3) 酪農ヘルパーの利用拡大
(4) 生乳流通体制の合理化の推進
(5) 生乳需要基盤の確保の推進
(6) 乳用牛の計画的な改良・増殖の推進
(2)肉用牛経営安定対策補完事業(拡充) [所要額]3,636百万円
肉用牛生産基盤の強化を図るため、以下の取組を支援します。
(1) 肉用牛生産基盤強化対策
(2) 地方特定品種並びに離島等及び山振地域の肉用牛振興対策
(3) 肉用子牛流通等対策
(3)養豚経営安定対策補完事業 [所要額] 200百万円
養豚経営の体質強化を図るため、種豚等の能力向上に必要な純粋種豚等の導入や肉質関連遺伝子の検査、飼養管理技術の向上など生産性向上や生産コスト削減を推進する取組を支援します。
(4)堆肥舎等長寿命化推進事業(拡充) [所要額] 222百万円
家畜排せつ物処理施設の長寿命化のための補修の実証、簡易な堆肥化処理施設の整備等を支援します。また、増頭や家畜排せつ物処理施設の整備に役立てるため、施設規模から適正に処理できる飼養頭数を簡易に算定する新たなシステムの構築及び普及の取組を支援します。
(5)畜産高度化推進リース事業 基金 貸付枠:2,800百万円
家畜排せつ物の適切な処理と利活用の推進、食肉販売等の合理化、生乳流通の効率化に必要な施設等のリース方式による導入を支援します。加えて、家畜排せつ物処理施設・機械については、保証保険料及び損害保険料を支援します。
(6)国産畜産物安心確保等支援事業 [所要額] 422百万円
家畜個体識別システムの円滑な運用の確保、口蹄疫、豚熱や鳥インフルエンザ等に備えた国産食肉の安心・安全に係る情報収集・普及、アジア地域の流行家畜疾病に対する情報提供等を支援します。
(7)畜産特別支援資金融通事業 [所要額] 911百万円
負債の償還に支障を来している経営や、家畜伝染病発生により深刻な影響を受けた経営に対する低利資金の円滑な融通を支援します。また、多額の資金を必要とする畜産経営の円滑な資金調達に資するために、動産担保融資が広く利用できる環境整備を支援します。
(8)家畜防疫互助基金支援事業 [所要額] 92百万円
口蹄疫、豚熱、鳥インフルエンザ等の家畜伝染病が発生した場合の互助金の交付等を支援します。
(9)食肉流通改善合理化支援事業 [所要額]3,696百万円
産地食肉センター等の設備改善、食肉流通の効率化、食肉卸売経営の安定化、食肉取引の円滑化に係る調査、国産食肉の新需要創出のための取組等を支援します。
(10)畜産副産物適正処分等推進事業 [所要額]5,873百万円
BSE発生を踏まえた牛由来肉骨粉・せき柱の適正処理や畜産副産物の有効利用のための取組を支援します。
(11)畜産経営安定化飼料緊急支援事業 [所要額] 149百万円
配合飼料製造・供給コストの低減に向けた工場の再編・合理化等の計画策定の取組等を支援します。また、令和2年3月31日までに農業競争力強化支援法に基づき農林水産大臣の認定を受けた事業再編計画により実施する工場の再編・合理化等に伴う、設備導入に要する資金の借入に対する金利相当額の一部や施設廃棄等に要する費用の一部を支援します。
3 緊急対策
(1)畜産経営災害総合対策緊急支援事業 [所要額]4,603百万円
令和2年度に発生した自然災害により被害を受けた畜産農家への経営継続のための支援及び停電に備えるための非常用電源の整備への支援について、畜産農家の被災状況、資材等の確保に要する期間、自給飼料の収量減少等の影響を受ける期間を踏まえ、令和3年度においても継続して実施します。
(2)酪農労働省力化推進施設等緊急整備対策事業 [所要額]5,500百万円
地域の酪農家等、酪農関係者が参画する協議会において、策定された労働負担軽減等を図る計画の実施のため、実情に応じた労働負担軽減に資する省力化機械装置の導入と一体的な施設の整備、複数戸の酪農家が協業して搾乳などの作業を集中管理するモデル的な集合搾乳施設の設置、乳用後継牛の育成を担う預託施設の機器整備等を支援します。
(3)和牛遺伝資源流出防止対策緊急支援事業 [所要額]2,065百万円
和牛遺伝子資源の適正管理及び流出防止の観点から、和牛精液等流通管理システムの構築、精液等の容器への表示の適正化、和牛受精卵の移植等の取組を支援します。
(4)和牛肉保管在庫支援緊急対策事業 [所要額] 令和2〜4年度 49,986百万円
新型コロナウイルス感染拡大の影響で積み上がった和牛肉の円滑な流通を図るため、在庫の保管料等を支援します。併せて、販売促進計画に基づき実際に販売した場合には、その実績に応じて奨励金を交付します。
(5)優良肉用子牛生産推進緊急対策事業 [所要額]500百万円
新型コロナウイルス感染拡大の影響による肉用子牛価格の低下により、肉用牛生産基盤の弱体化が懸念されるため、経営改善に取り組む肉用子牛生産者を支援します。
(6)肉用子牛流通円滑化緊急対策事業 [所要額] 32百万円
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、肉用子牛の出荷の停滞が懸念されるため、生産者団体が策定した計画に基づき、生産者がやむを得ず肉用子牛の出荷調整を行う場合、計画出荷に係る掛かり増し経費を支援します。
(7)発生畜産農場等経営継続対策事業 [所要額] 77百万円
農場の経営者等に新型コロナウイルス感染症が確認された場合、代替要員の派遣等を支援します。
(8)原皮需給安定緊急対策事業 [所要額]1,500百万円
新型コロナウイルス感染拡大の影響で輸出できなくなった原皮の円滑な処理を図るため、原皮の一時保管・高度処理や、それでも輸出できない原皮等の焼却処理の取組を支援します。加えて、需要が停滞している牛原皮の新規用途開発の取組を推進するとともに、原皮の販売・処理の双方に対応した選別体制を強化し経営の多角化を図る取組を支援します。
U 補正予算に係る対策等
1 国産乳製品等競争力強化対策事業(令和2年度補正事業) [所要額]5,599百万円
国産チーズの品質向上及び競争力強化を図るため、チーズ向け生乳の品質向上、技術研修、国際コンテストへの参加支援、国産チーズの需要拡大に向けた取組等を支援します。
2 畜産物処理加工施設非常用電源緊急整備事業(令和3年度事業)
[所要額]令和3〜4年度 474百万円
巨大地震等により、大規模な停電が発生した場合においても、畜産物処理加工施設(乳業工場、産地食肉センター)の安定的な稼働が可能となるよう、非常用電源設備の導入を支援します。
3 肥育牛経営改善等緊急対策事業(新規)(令和2年度補正事業)
[所要額]17,582百万円
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う価格・需要の変動により、厳しい環境に置かれている肥育経営等に対し、コスト低減等の経営体質の強化等に資する取組を支援します。また、乳業者団体等が国産需要の拡大を図るため、新たな業務用需要に対して脱脂粉乳・バターを活用する取組を支援します。
事業実施主体候補者の公募について
機構では、畜産物の生産・流通の合理化等を図るための畜産業振興事業を実施する事業実施主体候補者の公募を実施しています。
○公募期間
令和3年1月15日(金)〜2月15日(月)【正午必着】
○留意事項
・公募対象事業の実施については、予算の成立が前提となります。
・公募開始後、諸事情により事業の中止や事業内容の変更がある場合があります。
○詳細について(最新情報など)
本件に係る詳細等については、機構ホームページの「ピックアップ情報」コーナーに掲載している公募要領などをご覧下さい。
(https://www.alic.go.jp/)
○お問い合わせ先
畜産振興部 管理課 (TEL:03-3583-4334)