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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2021年3月号

2年12月の牛肉生産量、前年同月比3.1%増

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1 令和2年12月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、3万1285トン(前年同月比3.1%増)と前年同月をやや上回った(図1)。品種別では、和牛は1万5812トン(同5.1%増)とやや、交雑種は7690トン(同0.6%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った。一方で、乳用種は7324トン(同0.1%増)と前年同月並みとなった。
 なお、過去5カ年の12月の平均生産量との比較でも、0.9%増とわずかに上回る結果となった。

 
2  12月の輸入量は、冷蔵品は、北米産の入船遅れ分が通関されたことや前年度の日米貿易協定の発効(令和2年1月1日)による関税の引き下げを見越した通関の繰り越しなどにより前年同期の輸入量が少なかったことから、2万3633トン(同9.8%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2)。冷凍品は、前年度の輸入量が外食などの好調な需要を背景に多かったことなどから、2万5611トン(同18.9%減)と前年同月を大幅に下回った(図3)。この結果、全体では4万9249トン(同7.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 なお、過去5カ年の12月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は7.9%増、冷凍品は6.7%増と、いずれもかなりの程度上回る結果となった。
 


 
 
3  12月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による内食需要の増加から、266グラム(同6.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った(総務省「家計調査」)。
 一方、外食産業全体の売上高(同15.5%減)は、COVID-19の新規感染者数のさらなる増加、営業時間の短縮や外出自粛などに伴い、忘年会などの期待された年末需要が消失するなど、店内飲食業態を中心に客足が急減したことから、前年同月をかなり大きく下回る結果となった(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風はドライブスルー、テイクアウトおよびデリバリーが好調であったことなどから同4.8%増と前年同月をやや上回った。一方、牛丼店を含むファーストフード和風は高単価の季節メニューの好調やテイクアウトの下支えがあったものの、COVID-19の影響による客足の減少により同5.3%減とやや、焼き肉もCOVID-19の影響により大人数の宴会が消失したことから同11.4%減とかなり大きく、いずれも前年同月を下回った。
 
4  12月の推定期末在庫は、12万4502トン(同4.8%増)と前年同月をやや上回った(図4)。このうち、輸入品は11万2403トン(同5.8%増)と前年同月をやや上回った。
 推定出回り量は、8万3050トン(同5.7%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、国産品は2万9877トン(同7.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った一方、輸入品は5万3173トン(同11.8%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
 
 
 
(畜産振興部 友石 公彦)