2021年1月12日、USDA/WAOBは、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、米国のトウモロコシ需給見通しは、次の通りである(表16)。
国内生産量は、単収などがわずかに下方修正されたことから、141億8200万ブッシェル(3億6024万トン
(注)、前年度比4.1%増、前月比2.2%減)へわずかに下方修正された。
国内消費量は、飼料など向けが5000万ブッシェル、エタノール向けが1億ブッシェル下方修正されたため、全体では120億2500万ブッシェル(3億545万トン、同1.3%減、同1.2%減)へわずかに下方修正された。
輸出量は、国内生産量の下方修正や、生産者平均販売価格の上方修正により、25億5000万ブッシェル(6477万トン、同43.4%増、同3.8%減)へやや下方修正された。しかし、依然として記録的な輸出量となる見通しである。
期末在庫は、2019/20年度の期末在庫(推計値)が下方修正されたことに加え、2020/21年度の総供給量の減少幅が総消費量の減少幅を超えたことから、15億5200万ブッシェル(3942万トン、同19.1%減、同8.8%減)へかなりの程度下方修正された。その結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は10.6%(同3.1ポイント減、同0.9ポイント減)へ下方修正され、干ばつの影響により生産量が大幅に減少したことで期末在庫率が1桁まで低下した、2013/14年度以来の低水準となる見通しである。
また、生産者平均販売価格は、期末在庫のさらなる下方修正が主な要因となって、前月より0.2米ドル高い1ブッシェル当たり4.20米ドル(441円。1キログラム当たり17.4円:1米ドル=105円)と予測された。
(注) 1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(調査情報部 荒川 侑子)