2021年2月9日、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2020/21年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表19)。
これによると、2020/21年度の世界のトウモロコシ生産量は、前月から16万トン上方修正され、11億3405万トン(前年度比1.6%増、前月比同)となった。国別に見ると、パラグアイで下方修正されたが、南アフリカで作付けが順調に進んでいることから50万トン上方修正された。米国(3億6025万トン、前年度比4.1%増)およびブラジル(1億900万トン、同6.9%増)では、前年度の生産量を上回ることから、記録的な生産量となることが見込まれている。
輸出量は、世界全体で1億8570万トン(前年度比8.6%増、前月比1.1%増)へわずかに上方修正された。国別に見ると、米国で中国向け輸出量が増える見込みであることから127万トン上方修正された。
輸入量は、世界全体で1億7901万トン(同8.3%増、同1.5%増)へわずかに上方修正された。国別に見ると、アフリカ豚熱からの回復が進み、飼料向け需要が引き続き増加している中国が650万トン上方修正され、前年度比3.2倍の2400万トンと見込まれている。
消費量は、世界全体で11億5052万トン(同1.5%増、同0.2%減)へわずかに下方修正され、生産量を1647万トン上回ることとなった。国別に見ると、中国で200万トン上方修正された。
期末在庫は、世界全体で270万トン上方修正された結果、2億8653万トン(同5.4%減、同1.0%増)と見込まれている。国別に見ると、中国で450万トン上方修正されたが、米国で輸出量の上方修正に伴い127万トン下方修正されたほか、2019/20年度の期末在庫(推計値)が下方修正されたアルゼンチンおよびブラジルにおいても下方修正された。
(調査情報部 荒川 侑子)