1 令和3年2月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万4445トン(前年同月比1.3%減)と前年同月をわずかに下回った(図1)。品種別では、和牛は1万1102トン(同0.1%減)と前年同月並みとなった一方、交雑種は6170トン(同3.0%減)とやや、乳用種は6783トン(同2.0%減)とわずかに、いずれも前年同月を下回った。
なお、過去5カ年の2月の平均生産量との比較では、1.4%減とわずかに下回った。
2 2月の輸入量は、冷蔵品は、北米からの入船遅れなどから、1万7882トン(同6.7%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図2)。冷凍品は、冷蔵品と同様の影響に加え、豪州産の干ばつ後の牛群再構築による生産量減少に伴う現地価格の高騰などから、1万9401トン(同14.3%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図3)。この結果、全体では3万7287トン(同10.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
なお、過去5カ年の2月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は0.0%減と同水準となった一方、冷凍品は5.8%減とやや下回る結果となった。
3 2月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による内食需要の増加から、179グラム(同1.3%増)と前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」)。
一方、外食産業全体の売上高(同22.3%減)は、1都3県に再発令された緊急事態宣言の期間の延長に伴い、20時までの飲食の店内営業時間短縮が続いたことなどから前年同月を大幅に下回る結果となった(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風はドライブスルー、デリバリーの堅調などから同1.5%増と前年同月をわずかに上回った。一方、牛丼店を含むファーストフード和風はテイクアウトが堅調だったものの、営業時間短縮の影響により同16.6%減、焼き肉も休業した店舗があったことから同37.2%減と、いずれも前年同月を大幅に下回った。
4 2月の推定期末在庫は、12万5067トン(同2.6%増)と前年同月をわずかに上回った(図4)。このうち、輸入品は11万2517トン(同0.8%増)と前年同月をわずかに上回った。
推定出回り量は、6万2587トン(同10.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は2万3514トン(同4.2%減)とやや、輸入品は3万9073トン(同13.4%減)とかなり大きく、いずれも前年同月を下回った。
(畜産振興部 高城 啓)