1973年に設立された職業能力開発校である公益社団法人全国食肉学校は、2020年9月、国連工業開発機関UNIDO(本部オーストリア・ウィーン)との間で「パキスタン・イスラム共和国(以下「パキスタン」という)のハイバル・パフトゥンハーKhyber Pakhtunkhwa州(以下「KP州」という)の牛肉バリューチェーン近代化に向けて、州都ペシャワールにある畜産職業訓練学校AHITI(写真1)の牛肉コース開設とカリキュラム作成に協力する」契約を締結しました。
そもそも、なぜ本校がUNIDOと契約を結ぶことになったかについて説明します。2015年10月、内閣府の認定を受けて本校の定款第4条「事業」に次の文言を追加しました。
「海外における和食文化と日本式食肉処理・加工技術の普及」
「事業は日本全国及び海外において行うものとする」
このことにより、和牛輸出の拡大を背景とした「海外での和牛セミナー」と「本校への海外シェフの
招聘セミナー」が実施できることとなりました。それに伴い、本校の概要を英文で紹介する機会が増え、2019年12月に英文の学校ガイダンスをホームページにアップしたところ、年が明けてからUNIDOの目に留まったというわけです。
折しも世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、UNIDO本部のあるオーストリアやパキスタンとの往来が一切できなくなったため、3カ国を結んでの打ち合わせはすべてウェブ会議で行っており、時差の関係で打ち合わせはいつも日本時間の16時から開始しています。ちなみにオーストリアは朝8時、パキスタンは昼の12時です。