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海外の需給動向【牛乳・乳製品/豪州】 畜産の情報  2021年6月号

乳製品輸出量、主要4品目いずれも前年同月を上回る

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3月の生乳生産量は2カ月連続で前年同月をわずかに下回る
 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2021年3月の生乳生産量は62万8434キロリットル(64万7287トン相当、前年同月比1.8%減)と前年同月をわずかに下回った(表12、図18)。
 これを州別に見ると、酪農主産地であるビクトリア州は36万4241キロリットル(37万5168トン相当、同3.5%減)、タスマニア州は8万2441キロリットル(8万4914トン相当、同2.6%減)といずれも減少した(表12)。また、2020/21年度(7月〜翌6月)3月までの累計では、693万7526キロリットル(714万5651トン相当、同0.7%増)と前年同期をわずかに上回った。
 DAは3月16日、今期(2020/21年度)の生乳生産量について、牧草の生育にとって良好な天候が続いたことから増産が期待されるが、恒常的な労働力不足、離農、子牛価格の高騰による飼養頭数回復の遅れおよび放牧環境の改善に伴う穀物飼料給餌量の減少などによる1頭当たり乳量の低下などで、対前期比「−1%から1%の間」になるとの見込みを発表した。




脱脂粉乳、全粉乳、バターおよびバターオイルの輸出量が大幅に増加
 DAが発表した2021年2月の主要乳製品4品目の輸出量は、すべての品目で前年同月を上回った。中でもチーズ以外の3品目(脱脂粉乳、全粉乳、バターおよびバターオイル)は、中国向け輸出の伸びなどを反映し、いずれも前年同月を大幅に上回った(表13、図19)。
 品目別に見ると、脱脂粉乳は、前年同月比94.3%増の1万7324トンと大幅に増加し、今期(2020/21年度)の2月までの累計でも前年同期比17.5%増の7万6898トンとかなり大きく増加した。さらに、バターおよびバターオイルは前年同月比274.1%増の2268トン、年度累計でも前年同期比106.4%増の1万5175トンといずれも大幅に増加した。全粉乳は、前年同月比107.2%増の4858トンと3カ月ぶりに大幅な増加に転じたが、年度累計では、1月までの累計より減少率が縮小したものの前年同期比2.1%減の3万1042トンとわずかな減少となった。チーズも前年同月比は5.6%増の1万2825トンとやや増加したものの、年度累計では前年同期比3.8%減の9万8711トンとやや減少した。



 
(調査情報部 阿南 小有里)