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国内の需給動向【牛肉】 畜産の情報 2021年9月号

3年6月の牛肉生産量、前年同月比3.9%減

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1 令和3年6月の牛肉生産量(部分肉ベース)は、2万6733トン(前年同月比3.9%減)と前年同月をやや下回った(図1)。品種別でも、和牛は1万2692トン(同4.8%減)、交雑種は6549トン(同3.2%減)、乳用種は7031トン(同3.5%減)と、いずれも前年同月をやや下回った。
 なお、過去5カ年の6月の平均生産量との比較では、1.8%増とわずかに上回る結果となった。

 
2 6月の輸入量は、冷蔵品は、前年同月の輸入量が北米の現地工場の稼働停止の影響による現地価格の高騰などで少なかったことから、2万3819トン(同16.3%増)と前年同月を大幅に上回った(図2)。冷凍品は、豪州産牛肉の生産量減少や米国産牛肉のアジア諸国への輸出量の増加および米国の国内需要の増加による現地相場の高騰などから、2万8389トン(同6.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図3)。この結果、全体では5万2219トン(同3.0%増)と前年同月をやや上回った。
 なお、過去5カ年の6月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は8.5%増とかなりの程度、冷凍品は13.6%増とかなり大きく、いずれも上回る結果となった。



 
3 6月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は188グラム(同1.6%減)と前年同月をわずかに下回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の6月の平均消費量との比較では、6.8%増とかなりの程度上回る結果となった。
 一方、外食産業全体の売上高(同0.1%増)は、緊急事態宣言が一部の県を除き解除されたものの、首都圏や近畿圏などは引き続きまん延防止等重点措置の実施区域となり酒類提供自粛や営業時間短縮の要請が続いたことから、前年同月並みの結果となった(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は堅調な巣ごもり需要により、同13.6%増と前年同月をかなり大きく上回った。また、牛丼店を含むファーストフード和風は新メニューの開発やテイクアウトの予約販売などにより、同4.1%増と前年同月をやや上回った。一方、焼き肉は酒類提供の自粛要請により休業した店舗もあったことから、同27.5%減と前年同月を大幅に下回った。

4 6月の推定期末在庫は、12万7791トン(同13.3%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図4)。このうち、輸入品は11万4528トン(同16.3%減)と前年同月を大幅に下回った。
 推定出回り量は、7万3803トン(同5.9%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、国産品は2万5734トン(同9.2%減)とかなりの程度、輸入品は4万8069トン(同4.0%減)とやや、いずれも前年同月を下回った。



 
 
(畜産振興部 高城 啓)