ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 新しい汚水処理モニタリング技術〜BOD自動監視システムの開発〜
本稿で紹介したBOD自動監視システムの開発は、先端的な発電細菌の研究を農学分野の革新的な技術として実用化につなげることができた成功事例であり、産学官連携に取り組む多くの研究者・技術者の方々の参考になるものである。基礎研究の重要性とそのチャレンジを育む研究環境が相まって初めて実証研究にたどり着けること、研究開発の試練と同時に商品化の試練をも共有することができる、そして異分野の考え方に理解を示すことができる研究開発チームでなければならないことなど、産学官連携を進める上でのポイントとしてとても興味深い。
また、近年、活発に取り組まれているIoT技術の展開に、センシング技術開発の重要性とそれを適切に活用するためのシステム全体を把握する視点が必須であることを示した事例でもある。
畜産環境問題の課題解決をはじめとして、畜産経営が有する多くの課題解決に産学官連携によるIoT技術が有効に活用されることを期待している。
謝辞
本稿を作成するに当たって、農研機構畜産研究部門横山浩上級研究員、熊本県農業研究センター畜産研究所林田雄大研究員(現 熊本県県南広域本部農林部農業普及・振興課技師)、山形東亜DKK株式会社水口人史開発設計部長には、取材に際しまして多大なご協力をいただきました。記して感謝の意を表します。
参考文献
[1]畜産経営に関する排水基準について(農林水産省ウェブサイト)
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kankyo/taisaku/t_info/02_haisui/
[2]横山浩.炎酸化ステンレス鋼負極は微生物燃料電池の発電を促進させる.農研機構成果情報,畜産研究部門,2016.
https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nilgs/2016/nilgs16_s09.html