令和2年度の食料自給率、前年度から1ポイント低下の37%
農林水産省は8月25日に令和2年度の「食料需給表(概算値)」
(注1)、「令和2年度食料自給率・食料自給力指標について」
(注2)を発表した。
2年度の供給熱量ベース(カロリーベース)の総合食料自給率は、原料の多くを輸入している砂糖、でん粉、油脂類などの消費が減少したものの、米の需要が長期的に減少していること、小麦が特に作柄が良かった前年に比べて単収が減少したことにより、37%と前年度から1ポイント低下した(表2)。食料国産率
(注3)は畜産物の生産が増加したことにより、前年度同の46%となった。
2年度の生産額ベースの総合食料自給率は、牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類などの輸入額が減少した一方で、豚肉、鶏肉、野菜、果実などの国内生産額が増加したことなどにより、67%と前年度より1ポイント上昇した。また、食料国産率についても、71%と前年度より1ポイント上昇した。
品目別自給率(以下、重量ベースとする)を見ると、肉類(鯨肉を除く、以下同じ)は、すべての品目で生産量が増加したことなどにより、前年度から1ポイント高の53%と、2年連続で上昇した。また、肉類全体の国民1人・1年当たり供給純食料は、33.5キログラムと前年度と同水準となった。
飼料自給率は25%と前年度と同水準となった。肉類についてはいずれも輸入飼料依存度が高く、飼料自給率を考慮した肉類の食料自給率は7%と、前年度と同水準となった。
各畜産物の品目別自給率および国民1人・1年当たりの供給純食料については以下の通り。
(注1)「食料需給表」とは、1年間に国内で供給される食料の生産から最終消費に至るまでの総量を明らかにするとともに、国民1人1日当たりの供給純食料および栄養量が取りまとめられたものであり、上述の食料自給率算出の基礎として活用される。
(注2)「食料自給率」とは、国内の食料全体に対する国内生産の割合を示す指標であり、分子を国内生産、分母を国内消費仕向(国内生産および輸入から輸出を除いた数量に在庫の増減を加えたもの)として計算される。
(注3)「食料国産率」とは、畜産物の算定において飼料が国産か輸入かにかかわらず、国内で実際に生産された畜産物の食料全体の供給に占める割合である。