中国農業農村部は9月10日、「2021年9月中国農産物需給状況分析」を公表した。この中で、大豆については具体的数値が示されなかったが、2021/22年度(10月〜翌9月)の生産、輸入、消費、価格に関し、いずれも予測に変更はなかったとしている。ただし、大豆の収穫が始まる中で市場への供給が徐々に開始されているが、大豆作付面積の減少や東北地方での生産減の見込みを受けて、国内の大豆価格は引き続き高止まり傾向で推移するとしている。21年8月の国産大豆販売価格(国有企業)は、1キログラム当たり5.64元(99円:1元=17.6円
(注))と前年同月比5.8%高となっている(図26)。
中国政府系機関の国家糧油情報センターは9月6日、「油脂市場の需給状況に関する月報」を公表したが、前月公表からの変更はなかった。公表された予測値を見ると、2021/22年度の中国の大豆供給量は1億2040万トン、うち1840万トンが国産大豆、1億200万トンが輸入大豆であるとした。また、消費量(搾油仕向け)は1億150万トン(前年度比300万トン増)、うち160万トンが国産大豆、9990万トンが輸入大豆であるとした。そのほか食用等向けとして1738万トンの消費を見込んでいる。輸入量は引き続き増加傾向を示しており、世界の大豆需給に与える影響が高まっている。
(注) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の月末TTS相場。
(調査情報部 横田 徹)