中国農業農村部は10月19日、「農産物需給動向分析月報(2021年9月)」を公表した。この中で2021年のトウモロコシについて、作付面積の増加と良好な天候に恵まれたことから豊作が見込まれており、供給量の増加により価格は下落傾向にあるとしている(図1)。
下落の要因として、収穫を終えたトウモロコシが国内市場に出回り始めたことで、貯蔵されていた輸入トウモロコシの出荷も加速しており、全体として飼料向け、工業向け需要がいずれも弱含みの中で、需給バランスが緩んでいることを挙げている。
養豚生産が盛んな中国南部向け飼料原料集積地となる広東省黄埔港到着の輸入トウモロコシ価格(関税割当数量内1%の一次税率+25%の追加関税)は、9月が1キログラム当たり2.50元(45円:1元=18円
(注))となり、国産のトウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)に比べ同0.28元(5円)低かった。なお、関税割当数量を超えた同トウモロコシ価格(65%の関税+25%)は、同4.02元(72円)となり、国産に比べ同1.24元(22円)高くなっている。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2021年10月末日TTS相場。
(調査情報部 横田 徹)