3年10月の牛肉生産量、前年同月比2.9％ 減

1　令和3年10月の牛肉生産量は、2万8581トン（前年同月比2.9％減）と前年同月をわずかに下回った（図1）。品種別では、和牛は1万3431トン（同5.3％減）、乳用種は7490トン（同3.5％減）と、ともに前年同月をやや下回った。一方で、交雑種は7199トン（同2.8％増）と前年同月をわずかに上回った。
　なお、過去5カ年の10月の平均生産量との比較では、0.7％増とわずかに上回る結果となった。
2　10月の輸入量は、冷蔵品は、米国産などの輸入量が増加したものの、豪州産の輸入量が現地価格の高騰などにより減少したことから、2万488トン（同4.1％減）と前年同月をやや下回った（図2）。冷凍品は、米国産の輸入量が現地価格の高騰などにより減少したものの、他国産の輸入量が増加したことから、3万4659トン（同17.2％増）と前年同月を大幅に上回った（図3）。この結果、全体では5万 5203トン（同8.3％増）と前年同月をかなりの程度上回った。
　なお、過去5カ年の10月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は7.1％減とかなりの程度下回った一方、冷凍品は31.5％ 増と大幅に上回る結果となった。
3　10月の牛肉の家計消費量（全国1人当たり）は172グラム（同12.4％減）と前年同月をかなり大きく下回った（総務省「家計調査」）。
　なお、過去5カ年の10月の平均消費量との比較では、4.7％減とやや下回る結果となった。
　また、外食産業全体の売上高（同0.5％減）は、全国的に緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が解除されるとともに、首都圏や大阪府で営業時間の短縮要請も解除されたが、酒類提供が再開されても居酒屋などでは依然として厳しい状況が続いたことから、前年同月をわずかに下回った（一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」）。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は、テイクアウト、デリバリー需要が引き続き好調だったことから、同11.8％増と前年同月をかなり大きく上回った。一方、牛丼店を含むファーストフード和風は、営業時間の短縮および店舗数の減少などにより、同1.9％減と前年同月をわずかに下回った。また、焼き肉は、営業時間の短縮などにより、同3.3％減と前年同月をやや下回った。

4　10月の推定期末在庫は、14万7567トン（同10.9％増）と前年同月をかなりの程度上回った（図4）。このうち、輸入品は13万2959トン（同8.7％増）と前年同月をかなりの程度上回った。
　推定出回り量は、7万8341トン（同5.2％減）と前年同月をやや下回った（図5）。このうち、国産品は2万7617トン（同4.0％減）、輸入品は5万723トン（同5.9％減）と、ともに前年同月をやや下回った。