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海外の需給動向【鶏肉/米国】 畜産の情報 2022年1月号

鶏肉輸出量、メキシコ向けなど引き続き好調に推移

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1〜9月の鶏肉生産量、前年同期比0.5%増
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2021年1〜9月の鶏肉生産量は、1528万8000トン(前年同期比0.5%増)と引き続き前年を上回るペースを維持している(表1)。同期間の処理羽数は69億2300万羽(同0.5%減)となった一方で、生体重量が1羽当たり2.93キログラム(同0.8%増)となったことが生産を押し上げる形となった。
 処理羽数が前年同期を下回ったのは、21年1、2月の減少による影響が大きい(図1)。1月は食鳥処理場の稼働日数が前年同月よりも2日少なかったことから、処理羽数は前年同月比9.1%減となった。また、2月は、カレンダー日数が少ないことで他の月より減少傾向にあるが、同月中旬にテキサス州などの南部で記録的な寒波が発生し、処理場の稼働率低下などから鶏肉生産に大きな影響が生じた。翌週以降、鶏肉生産の遅れを取り戻すため、処理場は稼働時間を増やしたものの、同月の処理羽数は6億7681万羽(同5.6%減)と前年同月をやや下回った。

 
 
 
 
1〜9月の鶏肉輸出量、前年同期比4.4%増
 USDA/ERSによると、2021年1〜9月の米国の鶏肉輸出量は、256万トン(前年同期比4.4%増)と前年同期をやや上回った(表2)。
 USDAによると、最大の輸出先であるメキシコ向けは、同国で主に加工用に仕向けられる輸入鶏肉需要の増加などから、前年同期比24.4%増となった。フィリピン向けは、アフリカ豚熱の影響に伴う豚肉からの代替需要から、同約2.4倍と大幅に増加した。一方、中国向けは、前年の輸出が記録的な水準であったことに加え、現地の鶏肉価格が下落したことなどから、同35.7%減となった。
 中国向け鶏肉輸出が減少する中、USDA/ERSの統計には含まれない同国向けもみじ(鶏足)の輸出量は好調に推移している(図2)。もみじは、米国ではレンダリング用以外、ほとんど需要がない一方で、中国では加工や外食など幅広い用途で需要があり、米国産もみじはサイズや品質などの面で高く評価されている。米国での鳥インフルエンザ発生により、15年から中国向けの輸出が停止されていたが、19年11月に輸出が再開されて以降、増加基調となっている。



 
 
(調査情報部 河村 侑紀)