中国農業農村部は11月19日、「農産物需給動向分析月報(2021年10月)」を公表した。この中で2021年のトウモロコシの国内価格について、順調に収穫が続く中で下落基調にあるとしている(図)。
価格下落の要因として、収穫を終えたトウモロコシが国内市場に出回る中で、旧穀や貯蔵されていた輸入トウモロコシが積極的に出荷される一方、国内での電力の供給制限による工業向け需要の低下から、全体的に需給バランスが緩んでいることを挙げている。
主要養豚生産地である中国南部向け飼料原料集積地となる広東省黄埔港到着の輸入トウモロコシ価格(関税割当数量内:1%の関税+25%の追加関税)は、10月が1キログラム当たり2.60元(47円:1元=18.13円
(注))と反転したことで、国産のトウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)に比べ同0.14元(3円)安と前月より価格差が縮まっている。一方、関税割当数量を超えた同トウモロコシ価格(65%の関税+25%の追加関税)は同4.18元(76円)となり、国産に比べ同1.44元(26円)高く前月より価格差が広がった。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2021年11月末日TTS相場。
(調査情報部 横田 徹)