1 令和3年11月の牛肉生産量は、3万4186トン(前年同月比1.3%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万7654トン(同0.5%減)と前年同月をわずかに下回った一方、交雑種は8299トン(同5.0%増)とやや、乳用種は7764トン(同1.7%増)とわずかに、いずれも前年同月を上回った。
なお、過去5カ年の11月の平均生産量との比較では、2.3%増とわずかに上回る結果となった。
2 11月の輸入量は、米国産および豪州産の輸入量が現地価格の高止まりなどにより減少したことから、冷蔵品は、1万6432トン(同23.9%減)と大幅に(図2)、冷凍品は、2万6194トン(同5.7%減)とやや、前年同月を下回った(図3)。この結果、全体では4万2651トン(同13.7%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
なお、過去5カ年の11月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は25.9%減と大幅に下回った一方、冷凍品は6.9%増とかなりの程度上回る結果となった。
3 11月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は168グラム(同12.5%減)と前年同月をかなり大きく下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の11月の平均消費量との比較では、10.3%減とかなりの程度下回る結果となった。
また、外食産業全体の売上高(同0.2%減)は、全国的に営業時間の短縮要請および酒類提供の制限が解除され、好調が続くファーストフード洋風がけん引したものの、夜間の客足が鈍かったことから、前年同月並みとなった(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は、テイクアウト、デリバリー、ドライブスルーの需要が堅調だったことから、同3.6%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファーストフード和風は、客足が戻り、新商品も好調だったことから、同2.4%増と前年同月をわずかに上回った。一方、焼き肉は、夜間の客足の戻りが遅いことに加え、以前の営業時間帯に合わせた労働力の確保が追い付かなかったことから、同5.7%減と前年同月をやや下回った。
4 11月の推定期末在庫は、14万348トン(同10.0%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。このうち、輸入品は12万6186トン(同8.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
推定出回り量は、8万3256トン(同5.5%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、国産品は3万3832トン(同3.4%増)と前年同月をやや上回った一方、輸入品は4万9424トン(同10.8%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
(畜産振興部 今岡 峻人)