ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 令和4年度 畜産・酪農関係事業の概要について
令和4年度予算の政府案が令和3年12月24日に閣議決定され、令和4年度(一部令和3年度補正予算を含む)の畜産・酪農関係事業が公表されたところです。
機構といたしましては、畜産業振興事業の実施に当たり、事業実施主体の選定に係る透明性を確保するため、引き続き事業実施主体の公募を実施するなど、事業の的確な実施に取り組んでまいります。
本稿では、機構が行う事業の概要を紹介します。各事業の詳細については、農林水産省畜産局のホームページに掲載されている事業概要等をご覧ください。 (https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/)
T 令和4年度予算に係る対策
1 経営安定対策
(1)法律に基づく制度
(1) 加工原料乳生産者補給金 [所要額]37,481百万円
(2) 肉用子牛生産者補給金 [所要額]66,227百万円
(3) 肉用牛肥育経営安定交付金 [所要額]97,726百万円
(4) 肉豚経営安定交付金 [所要額]16,804百万円
(2)畜産業振興事業
(1) 加工原料乳生産者経営安定対策事業
加工原料乳(脱脂粉乳・バター等向け、チーズ向け及び生クリーム等向けの生乳)の取引価格が補塡基準価格を下回った場合に、生産者に補塡金を交付します。
2 関連対策
(1)酪農経営支援総合対策事業(拡充) [所要額]4,566百万円
酪農生産基盤の維持・強化を図るため、以下の取組を支援します。
(1) 中小酪農経営等の生産基盤維持・強化
(2) 地域の生産体制の強化
(3) 酪農ヘルパーの利用拡大
(4) 生乳流通体制の合理化の推進
(5) 生乳需要基盤の確保の推進
(6) 乳用牛の計画的な改良・増殖の推進
(2)肉用牛経営安定対策補完事業 [所要額]3,636百万円
肉用牛生産基盤の強化を図るため、以下の取組を支援します。
(1) 肉用牛生産基盤強化対策
(2) 地方特定品種並びに離島等及び山振地域の肉用牛振興対策
(3) 肉用子牛流通等対策
(3)養豚経営安定対策補完事業 [所要額]200百万円
養豚経営の体質強化を図るため、種豚等の能力向上に必要な純粋種豚等の導入や肉質関連遺伝子の検査、飼養管理技術の向上など生産性向上や生産コスト削減を推進する取組を支援します。
(4)堆肥舎等長寿命化推進事業 [所要額]222百万円
家畜排せつ物処理施設の長寿命化のための補修の実証、簡易な堆肥化処理施設の整備等を支援します。また、畜産環境に配慮した健全な経営発展を実現するため、家畜の飼養頭数又は既存の家畜排せつ物処理施設の規模からそれぞれ適正な家畜排せつ物処理が可能な施設規模又は飼養頭数を把握できる簡易な算定システムを構築及び普及する取組を支援します。
(5)畜産高度化推進リース事業 基金 貸付枠:2,800百万円
家畜排せつ物の適切な処理や新たな飼養衛生管理基準への対応、食肉販売等の合理化、生乳等の流通効率化に必要な施設等のリース方式による導入を支援します。加えて、家畜排せつ物処理施設・機械の導入については、保証保険料及び損害保険料を支援します。
(6)国産畜産物安心確保等支援事業 [所要額] 422百万円
家畜個体識別システムの円滑な運用の確保、口蹄疫、豚熱や高病原性鳥インフルエンザ等に備えた国産食肉の安全・安心に係る情報収集・普及、アジア地域の流行家畜疾病に関する情報提供等を支援します。
(7)畜産特別支援資金融通事業(拡充) [所要額]911百万円
負債の償還に支障を来している経営や、家畜伝染病発生により深刻な影響を受けた経営に対する低利資金の円滑な融通を支援します。また、多額の資金を必要とする畜産経営の円滑な資金調達に資するために、動産担保融資が広く利用できる環境整備の取組を支援します。
(8)家畜防疫互助基金支援事業(拡充) [所要額]112百万円
口蹄疫、豚熱、高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病が発生した場合の互助金の交付や基金加入農家に対する衛生指導等の取組を支援します。
(9)食肉流通改善合理化支援事業 [所要額]3,676百万円
産地食肉センター等の設備改善、食肉流通の業務効率化、食肉卸売経営の安定化、食肉取引の円滑化や品質管理の高度化、国産食肉の新需要創出のための取組等を支援します。
(10)畜産副産物適正処分等推進事業 [所要額]5,873百万円
BSE発生を踏まえた牛由来肉骨粉・せき柱の適正処理や畜産副産物の有効利用を促進するための取組を支援します。
(11)畜産経営安定化飼料緊急支援事業 [所要額]149百万円
配合飼料製造・供給コストの低減に向けた工場の再編・合理化等の計画策定の取組等を支援します。また、令和2年3月31日までに農業競争力強化支援法に基づき農林水産大臣の認定を受けた事業再編計画により実施する工場の再編・合理化等の取組を支援します。
3 緊急対策
(1)畜産経営災害総合対策緊急支援事業 [所要額]4,603百万円
台風や地震等の自然災害により被害を受けた畜産農家への経営再開・継続のための簡易畜舎の整備や被災畜舎等の補改修、停電に備えるための非常用電源の整備、自給飼料の品質低下抑制の取組や代替粗飼料の共同購入等を支援します。
(2)酪農労働省力化推進施設等緊急整備対策事業 [所要額]5,500百万円
地域の酪農家等、酪農関係者が参画する協議会において、策定された労働負担軽減等を図る計画の実現のため、労働負担軽減に資する省力化機械装置や施設の整備、複数戸の酪農家が協業して搾乳などの作業を集中管理するモデル的な集合搾乳施設の設置、乳用後継牛の育成を担う預託施設の機器整備等を支援します。
(3)和牛遺伝資源流出防止対策緊急支援事業 [所要額]2,065百万円
和牛遺伝資源の適正管理及び流出防止の観点から、和牛精液等流通管理システムの構築、精液等の容器への表示の適正化、和牛受精卵の移植等の取組を支援します。
(4)畜産物処理加工施設非常用電源緊急整備事業 [所要額]474百万円
大規模停電時においても畜産物処理加工施設が安定的に稼働可能となるよう、地域の関係者が連携して策定した対応計画に位置付けられた乳業工場及び都道府県が選定し対応計画を作成している産地食肉センターに対して、非常用電源設備の導入を支援します。
(5)種豚等流通円滑化推進緊急対策事業 [所要額]510百万円
豚熱ワクチン接種の展開に伴い肉豚生産が円滑に行われるよう、種豚業者による、地域外への種豚・精液の供給拠点の新設又は新たに凍結精液の供給機能を付加するための増改築を支援します。また、出荷困難となった肥育素豚を一時的に飼養するための簡易豚舎の設置の支援に加え、沖縄県内で飼養されているアグー豚の純粋種を離島へ避難させる場合に必要となる避難用豚舎の新設等を支援します。
(6)野生イノシシ経口ワクチン散布対策事業 [所要額]1,053百万円
全国協議会が行う経口ワクチンの導入・保管や、都府県協議会が行う経口ワクチンの散布地点選定、散布・回収及び散布方法の省力化を図るための取組を支援します。
(7)和牛肉保管在庫支援緊急対策事業 [所要額]令和2〜4年度 49,986百万円
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で需要が低下した和牛肉の円滑な流通を図るため、和牛肉の保管や販売等の取組を支援します。
(8)発生畜産農場等経営継続対策事業 [所要額]77百万円
農場の経営者等に新型コロナウイルス感染症が確認された場合、発生農場等の事業継続のための代替要員の派遣や家畜の公共牧場への避難等を支援します。
(9)肉用子牛流通円滑化緊急対策事業 [所要額]32百万円
新型コロナウイルス感染症の影響により、肉用子牛の出荷の停滞が懸念されるため、生産者団体が策定した計画に基づき、生産者がやむを得ず肉用子牛の出荷調整を行う場合、計画出荷に係る掛かり増し経費を支援します。
(10)ウィズコロナにおける畜産物の需給安定推進事業(新規) [所要額]3,700百万円
業界による自主的な脱脂粉乳の在庫低減の取組を促すとともに、新型コロナウイルス感染拡大により顕在化した畜産物の過剰在庫の抑制や廃棄リスク低減のため、流通販売形態の変更やプロモーション等による牛乳乳製品等の消費拡大及び国産内臓の新製品開発・普及への取組を支援します。
(11)配合飼料価格安定制度運営基盤強化事業(新規) [所要額]最大15,000百万円
配合飼料価格安定制度による基本的な機能を維持するため、異常補塡基金の運営基盤の強化を支援します。
U 令和3年度補正予算に係る対策
国産乳製品等競争力強化対策事業 [所要額]5,599百万円
国産チーズの品質向上及び競争力強化を図るため、チーズ向け生乳の品質向上、技術研修、国際コンテストへの参加支援、国産チーズの需要拡大に向けた取組等を支援します。
事業実施主体候補者の公募について
機構では、畜産物の生産・流通の合理化等を図るために実施する畜産業振興事業の事業実施主体候補者の公募を行っています。
○公募期間 令和4年1月14日(金)〜2月14日(月)【応募書類:正午必着】
○留意事項
・公募対象事業の実施については、予算の成立が前提となります。
・公募開始後、諸事情により事業の中止や事業内容の変更がある場合があります。
○詳細について(最新情報など)
本件に係る詳細等については、機構ホームページの「ピックアップ情報」コーナーに掲載している公募要領などをご覧ください。
(https://www.alic.go.jp/)
○お問い合わせ先
畜産振興部 管理課 (TEL:03-3583-4334)