ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 肉牛繁殖・肥育経営および酪農経営における外国人労働力の役割
本稿は、これまで研究が少なった畜産業における外国人労働力について分析を試みた。外国人労働力の導入が日本農業にとって構造的な位置となっていることは理解が進みつつあるが、その受入職域や地域、経営規模や経営の性格、日本人従業員との関係などはこれまで必ずしも十分に明らかにされてこなかった。畜産業のうち特に酪農・肉牛繁殖肥育に着目し、飼育頭数全国1位の北海道、乳用牛都府県1位の栃木県、肉用牛都府県1位の鹿児島県を事例として捉えた基礎的概念への理解を基に外国人労働力調達の実際、そして畜産業における外国人労働力調達のあり方が事例的に明らかになり、外国人労働力調達への理解が進むことが期待される。 なお、本稿の基となる報告書は総説3論文と事例研究3論文の計6論文で構成されており、農畜産業振興機構のホームページ(https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_000027.html)に掲載されているので、そちらも併せて参照されたい。
引用参考文献
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