令和3年12月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり210円(前年同月比32円高)と前年同月を上回った(図)。鶏卵卸売価格の動向を見ると、3年は、昨冬の高病原性鳥インフルエンザの発生により採卵鶏の殺処分羽数が多かったことなどから、3月以降、10カ月連続で前年同月を上回って推移している。鶏卵価格は、例年、夏場に底を迎え、最需要期の冬場に向けて上昇する傾向があるが、3年は例年とは異なる動向となっている。年内最高値となることの多い12月だが、3年12月の同価格は、全日同210円で推移し、前月から同3円上昇したものの、最高値とはならなかった。
供給面は、11月以降、高病原性鳥インフルエンザの発生が複数県で確認されているものの、全般的には産卵に適した時期であり、卵重が増加するなど生産は順調とみられる。
需要面は、COVID-19の拡大が懸念される中、外食需要の回復は不透明であるものの、おでんや恵方巻などの季節需要の高まりが期待される。
令和4年度の補塡基準価格および安定基準価格が決定
農林水産省は令和3年12月24日、「令和4年度鶏卵生産者経営安定対策事業」のうち、「鶏卵価格差補
塡事業」に係る補塡基準価格および「成鶏更新・空舎延長事業」の発動基準となる安定基準価格を決定した。補塡基準価格は鶏卵1キログラム当たり181円、安定基準価格は同159円と、前年度と同水準となった(表)。
(畜産振興部 前田 絵梨)