中国農業農村部は12月20日、「農産物需給動向分析月報(2021年11月)」を公表した。この中で、短期的なトウモロコシの国内価格の動向について、輸入量の増加や新穀の出回りなどにより十分な供給量が確保されていることで、弱含みで推移すると予想している(図)。
一方、21年11月の国内価格上昇の要因として、同月中旬から下旬にかけて主産地の東北部で発生した降雪などによる輸送の遅れを挙げている。また、豚肉価格の回復に伴う飼料向け需要の高まりに加え、工業向け需要の回復から在庫補充が意欲的に行われていることも、同月の価格上昇の一因としている。
主要養豚生産地である中国南部向け飼料原料集積地となる広東省黄埔港到着の輸入トウモロコシ価格(関税割当数量内:1%の関税+25%の追加関税)は、11月が1キログラム当たり2.56元(47円:1元=18.36円
(注))と前月からわずかに下落し、国産のトウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)に比べ同0.32元(6円)安と前月より価格差が広がっている。一方、関税割当数量を超えた同トウモロコシ価格(65%の関税+25%の追加関税)は同4.10元(75円)と下落し、国産に比べ同1.22元(22円)高いが前月より価格差は縮まった。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2021年12月末日TTS相場。
(調査情報部 横田 徹)