1 令和3年12月の牛肉生産量は、3万1355トン(前年同月比0.2%増)と前年同月並みであった(図1)。品種別では、和牛は1万5884トン(同0.5%増)、交雑種は7720トン(同0.4%増)といずれも前年同月をわずかに上回った一方、乳用種は7265トン(同0.8%減)と前年同月をわずかに下回った。
なお、過去5カ年の12月の平均生産量との比較では、1.3%増とわずかに上回る結果となった。
2 12月の輸入量は、米国産および豪州産の輸入量が現地価格の高止まりなどにより減少したことから、冷蔵品は2万785トン(同12.0%減)とかなり大きく、冷凍品は2万4878トン(同2.9%減)とわずかに、いずれも前年同月を下回った(図2、3)。この結果、全体では4万5695トン(同7.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
なお、過去5カ年の12月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は9.2%減とかなりの程度、冷凍品は2.4%減とわずかに、いずれも下回る結果となった。
3 12月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は247グラム(同7.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の12月の平均消費量との比較では、1.4%減とわずかに下回る結果となった。
また、外食産業全体の売上高(同9.5%増)は、年末の帰省需要など、少人数の外食需要の一部で戻りが見られたことから、前年同月をかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は、引き続きテイクアウト、デリバリー、ドライブスルーの需要が堅調だったことから、同3.6%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファーストフード和風は、メディア露出や新商品の展開により、同7.7%増と前年同月をかなりの程度上回った。焼き肉は、年末にかけて郊外店舗を中心に客足が好調だったことから、同19.0%増と前年同月を大幅に上回った。
4 12月の推定期末在庫は、13万3882トン(同7.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。このうち、輸入品は12万374トン(同7.1%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
推定出回り量は、8万2575トン(同0.6%減)と前年同月をわずかに下回った(図5)。このうち、国産品は3万1068トン(同4.0%増)と前年同月をやや上回った一方、輸入品は5万1507トン(同3.1%減)と前年同月をやや下回った。
(畜産振興部 谷 貴規)