1 令和4年1月の牛肉生産量は、2万5761トン(前年同月比3.6%増)と前年同月をやや上回った(図1)。品種別では、和牛は1万1623トン(同4.3%増)とやや、交雑種は6759トン(同7.6%増)とかなりの程度、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は6961トン(同1.0%減)と前年同月をわずかに下回った。
なお、過去5カ年の1月の平均生産量との比較では、3.0%増とやや上回る結果となった。
2 1月の輸入量は、冷蔵品は、米国産および豪州産の輸入量が現地価格の高止まりなどにより減少したことから、1万6314トン(同20.9%減)と前年同月を大幅に下回った(図2)。冷凍品は、冷蔵品と同様に米国産および豪州産の輸入量が減少したものの、他国産の輸入量が増加したことから、2万4048トン(同3.0%増)と前年同月をやや上回った(図3)。この結果、全体では4万397トン(同8.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
なお、過去5カ年の1月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は15.7%減とかなり大きく下回る一方、冷凍品は4.2%増とやや上回る結果となった。
3 1月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は186グラム(同5.7%減)と前年同月をやや下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の1月の平均消費量との比較では、3.4%増とやや上回る結果となった。
また、外食産業全体の売上高(同12.2%増)は、年始に個人客や家族客の回復の兆しが見られ、前年同月をかなり大きく上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフード洋風は、テイクアウト、デリバリー、ドライブスルーが引き続き堅調で、新メニューも好調であったことから、同5.9%増と前年同月をやや上回った。また、牛丼店を含むファーストフード和風は、新商品が引き続き好調であったことから、同5.8%増と前年同月をやや上回った。焼き肉は、前年同月ほどの休業店舗数には至らなかったことから、同30.3%増と前年同月を大幅に上回った。
4 1月の推定期末在庫は、13万4515トン(同6.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。このうち、輸入品は12万1305トン(同6.1%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
推定出回り量は、6万5064トン(同2.4%減)と前年同月をわずかに下回った(図5)。このうち、国産品は2万5598トン(同4.2%増)と前年同月をやや上回った一方、輸入品は3万9466トン(同6.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
(畜産振興部 前田 絵梨)