米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年3月9日、21/22年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
これによると、世界の大豆生産量は3億5380万トン(前年度比3.4%減)と前月から1006万トン下方修正された。最大の生産国であるブラジルは、同国南部での乾燥気候の影響により前月から700万トン下方修正され、3カ月連続での大幅見直しとなった。また、アルゼンチンも収穫面積と単収の減少から同150万トン下方修正された。さらに、隣国のパラグアイやウルグアイもブラジルと同様、乾燥気候の影響から引き続き減産(両国計160万トンの下方修正)が見込まれることで、これら4カ国の減少分が反映される形となった。
輸出量は、世界全体で1億5863万トン(同3.6%減)と前月から640万トン下方修正された。最大の輸出国であるブラジルは、生産量の減少見通しにより同500万トン下方修正されたほか、アルゼンチンも同100万トン下方修正された。一方、米国は同109万トン上方修正されており、南米の減少分の一部を補う形となった。
輸入量は、世界全体で1億5673万トン(同5.2%減)と前月から603万トン下方修正された。うち、最大の輸入国である中国は、ブラジルなどの輸出量の減少見通しが反映されたことで、9400万トン(同5.8%減)と同300トン下方修正された。
消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億1526万トン(前年度比同)と前月から498万トン下方修正された。最大の消費国である中国は9200万トン(同1.1%減)と同200万トン下方修正され、また、ブラジルもわずかに下方修正された。
この結果、期末在庫は8996万トン(同11.6%減)と前月から287万トン下方修正された。期末在庫は、中国などの大豆輸入需要を背景に南米などの生産拡大から上昇基調で推移してきたが、21/22年度は15/16年度以来の8000万トン台と見込まれている。
(調査情報部 横田 徹)