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海外の需給動向【牛乳・乳製品 NZ】 畜産の情報 2022年6月号

2021/22年度の生乳生産量、前年度を下回る見通し

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3月の生乳生産量、8カ月連続で前年同月を下回る
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2022年3月の生乳生産量は180万9000トン(前年同月比1.9%減)と8カ月連続で前年同月を下回った(図1)。また、21/22年度(6月〜翌5月)の3月までの累計でも、1905万3400トン(前年同期比4.0%減)と減少した。
 ニュージーランド証券取引所(NZX)は、3月の生乳生産量は前年同月割れと見込んでいた中で、2月中旬の降雨により牧草の成育が進み、減少幅は縮小したとしている。また、今期(21/22年度)の見通しとして、乾燥した気候から牧草生育への影響が続くことで、生乳生産量は前年度を下回るとしている。

乳製品輸出量、全粉乳を除く主要3品目が前年同月を上回る
 ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2022年3月の乳製品輸出量は、主要3品目が前年同月を上回った(表、図2)。
 品目別に見ると、脱脂粉乳は、最大の輸出先である中国向けが前年同月比で1割程度減少したものの、フィリピンやマレーシア向けなどがそれぞれ大幅に増加したことで、全体では大幅に増加した。全粉乳は、最大の輸出先である中国向けの大幅な減少などを受けて、全体でも大幅に減少した。また、バターおよびバターオイルは、米国向けがかなり大きく減少したものの、最大の輸出先である中国向けがかなりの程度増加したことで、全体ではやや増加した。チーズは、最大の輸出先である中国向けがかなり大きく減少したものの、輸出量第2位の日本向けの大幅な増加で、全体ではかなりの程度増加した。



 
 

GDT、主要4品目いずれも前回より下落
 2022年4月19日に開催されたグローバルデイリートレード(注1)の総取引量は前回よりも増加したが、平均取引価格は、主要4品目いずれも前回から下落した(図3)。
 品目別に見ると、脱脂粉乳は北アジア(注2)やアフリカなどの需要が強かったものの、東南アジアからの引き合いが弱く前回よりやや下落した。また、全粉乳も北アジアや東南アジアからの引き合いが弱くかなりの程度下落した。一方、バターは、東南アジアからの引き合いが強かったことで、前回から下落したものの引き続き高値で推移している。また、チーズも同様に、東南アジアからの引き合いが強かったことで同じく下落したものの、高値で推移している。

(注1) 月2回開催されるフォンテラ社主催の電子オークション。乳製品の国際価格の指標とされている。
(注2) ニュージーランド外務貿易省は、中国、日本、香港、韓国、台湾を北アジアとしている。


 

(調査情報部 廣田 李花子)