USDA/WAOBは2022年4月8日、21/22年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、同国のトウモロコシ需給見通しは次の通りである(表)。
生産量は、前月から据え置かれ、151億1500万ブッシェル(3億8394万トン
(注1)、前年度比7.1%増)と、これまでの統計で最も生産量の多かった16/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)に近い水準となっている。
消費量は、飼料など向けが2500万ブッシェル下方修正されたものの、エタノール向けが前月から2500万ブッシェル上方修正されたため、全体では124億3500万ブッシェル(3億1586万トン、同3.0%増)と前月から据え置かれた。引き続き、原油高を背景にエタノール向け需要の増加(同6.8%増)が消費をけん引すると見込まれている。
輸出量は、前月と同様、米国がウクライナの輸出減を補うとの見込みから25億ブッシェル(6350万トン、同9.2%減)と据え置かれ、記録的な輸出量となった前年度からは、かなりの程度の減少が見込まれている。
この結果、期末在庫は、14億4000万ブッシェル(3657万トン、同16.6%増)と前月から据え置かれた。
また期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)も9.6%(同1.3ポイント増)と前月と変わらず10%台を割り込んだ。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり5.80米ドル(753円。1キログラム当たり29.7円:1米ドル=129.86円(注2))と前月からやや上方修正された。
なお、米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が3月31日に公表した穀物の作付け予想によると、22年のトウモロコシの作付面積は8949万エーカー(3622万ヘクタール、前年比4.1%減)で、大豆の作付面積9096万エーカー(3681万ヘクタール、同4.3%増)を下回ると見込まれている。サウスダコタ州やネバダ州では過去最高の作付面積が見込まれるものの、48州中43州の作付面積は据え置きまたは縮小すると予想されている。
(注1) 1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年4月末TTS相場。
(調査情報部 塩原 百合子)