1 令和4年4月の牛肉生産量は、2万9766トン(前年同月比2.5%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万4415トン(同2.5%増)とわずかに、交雑種は7747トン(同8.9%増)とかなりの程度、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は7128トン(同3.1%減)と前年同月をやや下回った。
なお、過去5カ年の4月の平均生産量との比較でも、4.4%増とやや上回る結果となった。
2 4月の輸入量は、冷蔵品は、米国産および豪州産の現地相場が高いことに加え、豪州産の生産量の減少や物流の混乱などにより、2万477トン(同19.9%減)と前年同月を大幅に下回った(図2)。冷凍品は、前年同月の輸入量が少なかったことなどから、4万1003トン(同38.0%増)と前年同月を大幅に上回った(図3)。この結果、全体では6万1521トン(同11.3%増)と前年同月をかなり大きく上回った。
なお、過去5カ年の4月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品は19.8%減と大幅に下回る結果となった一方、冷凍品は15.6%増とかなり大きく上回る結果となった。
3 4月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は170グラム(同10.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の4月の平均消費量との比較でも、11.1%減とかなり大きく下回る結果となった。
一方、外食産業全体の売上高(同13.5%増)は、3月22日以降全国でまん延防止等重点措置が解除されたことから前年同月をかなり大きく上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフードの洋風は、デリバリー、ドライブスルーが引き続き堅調だったことから、同10.7%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファーストフードの和風は、夜間の店内営業の再開や、新商品の売れ行きが好調だったことから、同7.9%増と前年同月をかなりの程度上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、家族客の戻りが好調で、夜間営業も再開されたことから、同28.1%増と前年同月を大幅に上回った。
4 4月の推定期末在庫は、12万6013トン(同7.1%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図4)。このうち、輸入品は11万4213トン(同9.0%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
推定出回り量は、9万2576トン(同10.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図5)。このうち、国産品は3万613トン(同9.0%増)とかなりの程度、輸入品は6万1963トン(同11.8%増)とかなり大きく、いずれも前年同月を上回った。
(畜産振興部 前田 絵梨)