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国内需給動向【牛乳・乳製品】 畜産の情報 2022年7月号

4年度の生乳生産量、前年度をわずかに上回る見込み

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4月の生乳生産量、前年同月比2.0%増
 令和4年4月の生乳生産量は、65万6967トン(前年同月比2.0%増)と前年同月をわずかに上回った(図)。地域別に見ると、北海道は36万3741トン(同3.5%増)とやや増加し、都府県は29万3226トン(同0.3%増)と前年同月並みとなり、堅調に推移した。

 
 
 4年4月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、32万7714トンと前年同月並みとなった。なお、業務用向け処理量については、2万5954トン(同2.8%減)と前年同月をわずかに下回ったものの、COVID-19拡大の影響を受けたと考えられる2年4月からは20.4%増となった。
 乳製品向けは、32万5528トン(同4.3%増)と前年同月をやや上回った。品目別に見ると、クリーム向けは、6万513トン(同5.8%増)と前年同月をやや上回り、チーズ向けは3万9217トン(同2.4%減)と前年をわずかに下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、17万8950トン(同5.9%増)と前年同月をやや上回った。脱脂粉乳の4月末の在庫量は10万652トン(同20.1%増)となり、10万トンを超えた(農林水産省「牛乳乳製品統計」、独立行政法人農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。

4年度の生乳生産量、前年度比0.8%増の見込み
 一般社団法人Jミルクは令和4年6月3日、「2022年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと課題について」を公表した。これによると、4年度の生乳生産量は、北海道で439万9000トン(前年度比2.0%増)と引き続き増産が見込まれる一方で、都府県では331万1000トン(同0.7%減)と3年ぶりに前年度を下回ることが見込まれており、全国の生乳生産量は771万トン(同0.8%増)と4年連続の増産となり、前年度に引き続き750万トンを超える見通しである(注)(表)。
 なお、4年度の乳用雌牛飼養頭数を見ると、特に生乳生産を担う2歳以上については、今年度末には、北海道で約4000頭増加する一方、都府県では4000頭減少し、全国では前年度並みに推移するものと見込まれている。
 また、生乳の用途別処理量の見通しとしては、飲用等向けは405万5000トン(同0.1%増)と前年並みの水準にとどまる一方、乳製品向けは360万5000トン(同1.6%増)と増加が見込まれている。内訳を見ると、チーズ向けが46万トン(同5.4%増)、生クリーム等向けが127万トン(同1.9%増)と増加する見通しであるものの、生乳生産量の増加などが影響し、脱脂粉乳・バター等向けは187万5000トン(同0.6%増)と前年度を上回る見通しである。

(注) 全国の生産抑制の取り組みは考慮していない。


令和4年度のバターおよび脱脂粉乳輸入枠、1月時点から据え置き
 農林水産省は6月3日、令和4年度の国家貿易によるバターおよび脱脂粉乳の輸入枠数量の検証結果を公表した。これによると、バターおよび脱脂粉乳はいずれも十分な在庫があることから、本年1月に設定された輸入枠数量(バターは7600トン、脱脂粉乳は750トン)は据え置くこととなった。

(酪農乳業部 小木曽 貴季)