米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年5月12日、22/23年度最初の世界の大豆需給予測値を公表した(表)。
これによると、同年度の世界の大豆生産量は3億9469万トン(前年度比13.0%増)とかなりの増加が見込まれている。このうち、最大の大豆生産国であるブラジルは、1億4900万トン(同19.2%増)と乾燥気候の影響により減産となった前年度から大幅に回復し、過去最大の生産量が見込まれている。また、生産量第2位の米国は、主要生産州での増産見込みから1億2628万トン(同4.6%増)、アルゼンチンもブラジルと同じく前年度からの回復を受けて5100万トン(同21.4%増)と見込まれている。さらに中国も、政策的に大豆生産を推進していることから、1750万トン(同6.7%増)と見込まれている。
輸出量は、世界全体で1億7001万トン(同9.3%増)とかなりの程度の増加が見込まれている。このうち、最大の大豆輸出国であるブラジルは生産の回復から8850万トン(同6.9%増)、また、ブラジルに次ぐ米国も5987万トン(同2.8%増)といずれも増加が見込まれている。
輸入量は、世界全体で1億6712万トン(同8.2%増)とかなりの程度の増加が見込まれている。このうち、最大の大豆輸入国である中国は、ブラジルなどの輸出増加が見込まれる中で、国内需要の拡大から9900万トン(同7.6%増)と同じく増加が見込まれている。
消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億2676万トン(同4.2%増)と見込まれている。このうち、最大の大豆消費国である中国は、搾油向け需要の回復から9500万トン(同6.7%増)と増加が見込まれている。
この結果、世界の期末在庫は9960万トン(同16.8%増)と大幅な増加が見込まれている。期末在庫は、中国の大豆輸入需要の増加などを背景に南米などの生産拡大から上昇基調で推移してきたが、21/22年度は南米での減産から15/16年度以来となる8000万トン台に落ち込んでいた。
(調査情報部 横田 徹)