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国内需給動向【牛乳・乳製品】 畜産の情報 2022年8月号

5月の北海道生乳生産量、過去最高

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5月の生乳生産量、前年同月比1.2%増
 令和4年5月の生乳生産量は、67万8532トン(前年同月比1.2%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。地域別に見ると、北海道は、5月としては過去最高を記録した昨年の37万トンをさらに上回り37万9486トン(同2.5%増)となった(図2)。
 



 
 4年5月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、34万4956トン(同1.2%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向け処理量については、2万6678トン(同1.4%増)となった。
 乳製品向けは、32万9785トン(同4.0%増)と12カ月連続して前年同月を上回った。品目別に見ると、クリーム向けは、6万540トン(同3.6%増)と前年同月をやや上回った。一方で、チーズ向けは4万1876トン(同7.5%増)と前年同月をかなりの程度上回り、脱脂粉乳・バター等向けも17万9502トン(同5.2%増)と前年同月をやや上回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」、独立行政法人農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。

脱脂粉乳およびバターの在庫は引き続き高水準
在庫量については、脱脂粉乳では4月に10万652トンとなり、10万トンを超え、5月も10万4203トン(前年同月比17.3%増)と前年同月を大幅に上回り、引き続き高水準となっている(図3)。バターでは、令和元年7月以降、2年10カ月間前年同月を上回って推移していたが、4年5月には、4万1518トン(同0.5%減)となり、前年同月をわずかに下回った(図4)。
 このように、COVID−19の影響により脱脂粉乳などの牛乳乳製品の業務用需要が回復しきらず、この在庫が積み上がっている状況が続いている。これを受け、当機構では、4年度において、酪農乳業の業界による在庫低減の取り組みを促すとともに、過剰在庫の抑制や廃棄リスク低減のため、ウィズコロナにおける畜産物の需給安定推進事業を実施している。このうち、在庫低減支援対策事業においては、乳業者などが脱脂粉乳の用途変更を行い、飼料用の需要がある分野の実需者に販売する取り組みを支援することを通して、在庫の低減を推進することとしている。


 

(酪農乳業部 小木曽 貴季)